どうも、労災認定を受けることが出来たゴローです。
今回は以下の悩みをお持ちの方に向けた記事になります。
「仕事中にケガをしてしまったので、労災申請をしたいが、はじめてどうすればよいかわからない」
「過労やパワハラで体調を崩して休職中でお給料もでないので、労災申請で補償を受けたい」
労災申請について調べている方は同じようなお悩みをお持ちではないでしょうか。
確かに労災申請は一生のうちで何度もあるものではなく、書類も沢山あるように見えるので、難しいように思えます。
しかし、実際には自分ひとりでも労災申請を行い、給付金を受け取ることができます。
僕の場合はうつ病だったため、病気と仕事の関係を証明するために専門家のサポートを受けながら、労災申請しました。
ここでは僕がサポートを受けながら労災申請をして給付金を受けた経験を踏まえて、みなさんが一人でも労災申請できるように手順を解説したいと思います。
きっと、あなたもこのページを読めば、一人でも労災申請ができるようになります。
労災申請の流れ
労災申請から労災の給付金が支給されるまでの流れは以下のようになります。
1.労災の事故発生
2.労災が発生したことを会社に報告/病院で診察を受ける
3.会社が労働者死傷病報告書を労働基準監督署に提出
(事故発生から1-2週間程度)
4.労災の請求書を記入して、労働基準監督署に提出
(請求書に事業主証明は必要なものは会社の証明を受ける)
5.労働基準監督署で労災になるかどうか調査
6.労働基準監督署が認定結果を通知
7.労災認定されたら、10日ほどで労災の給付金が振り込まれる
労災で申請できる給付の種類
労災保険は、大きく2つの災害に分類でき、申請する給付金の名称が変わったり、請求書が異なります。
業務災害と通勤災害
業務災害
業務上のケガや病気、死亡、障害が対象です。
出張中に起きた労災事故も業務災害に含まれます。
通勤災害
通勤途中でのケガや病気、死亡、障害が対象です。
日用品の購入や親族の介護、病院への診察途中、選挙権の行使など日常生活で必要な行為で業務を中断して向かっていた最中の事故は通勤災害に含まれます。
労災の給付一覧
給付内容 | 時効 | 時効の起算日 | |
休業補償給付 | 業務上の負傷または疾病で休業し賃金が支払われなかった場合に休業4日目から給付される | 2年 | 仕事を休んで給料を受けなかった日毎の翌日 |
療養補償給付 | 業務上の負傷または疾病により病院等で治療を受けた場合に、治療費の全額が給付される | 2年 | 治療費を負担した日の翌日 |
遺族補償年金 | 被災者が死亡した場合に、遺族に対して給付される。業務上災害は遺族補償年金、通勤災害では遺族年金として給付される | 5年 | 被災者が亡くなった日の翌日 |
障害補償給付 | 業務上の負傷または疾病で障害が残った場合、障害等級に応じて年金または一時金が給付される | 5年 | 傷病が治癒した日の翌日 |
介護補償給付 | 災害により、一定の障害に該当するものがあり、介護を受けている場合に給付される | 2年 | 介護を受けた月の翌月1日 |
葬祭料 | 被災者が死亡した場合、遺族や友人など労働者の葬祭を行うものに対して一定額が給付される | 2年 | 被災者が亡くなった日の翌日 |
労災申請の期限
労災保険の申請期限である各種給付金の時効を過ぎてしまうと、請求権を失ってしまいます。
そのため、請求権を失う前に請求書を提出し、労働基準監督署に受理してもらう必要があります。
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労災申請の期限をケース別に解説!きっとあなたのケースもあります
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労災申請の方法
労災申請をする際に提出する各種給付金の請求書は記入する欄が多く、ややこしく見えます。
会社の協力を得られれば、そう難しくありませんが、そうでない場合は自分で労災認定を受けるために調べたりして書かなくてはなりません。
発生したケガや病気などと仕事との関係を証明するのが難しい場合には、会社の協力を得られずに、労働基準監督署に自分で証明しなくてはならないため、請求書を出しただけでは労災認定される可能性は低いでしょう。
各種給付金の請求書の記入例や労災認定を受けるために労災申請時に一緒に提出したほうがよい書類などについては、以下の記事を合わせて御覧ください。
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【記入例あり】労災申請に必要な書類を5W1Hで解説
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労災申請までによくあるトラブル
労災申請をしようとすると様々な理由をつけて、会社が手続きを進めないがあります。
しかし、あなたのケガや病気が労災保険の適用になるかどうか判断するのは労働基準監督署です。
労災事故が発生したら、会社は労働基準監督署に報告する義務を負っており、故意に報告しないことは「労災かくし」として犯罪となります。
実際に、多くの企業が労災かくしで書類送検されています。
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会社が労災申請を嫌がる理由と違反行為
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パートやアルバイトは労災を使わせない
パートやアルバイトであることを理由に労災を使わせないという会社がありますが、労災保険は経営者や役員を除くすべての労働者が対象です。
そして、労災保険にはほぼすべての会社が強制加入しています。
(任意加入となるのは、5人未満の労働者を使用する個人経営の農林水産の事業だけです)
あなたの会社が労災保険に加入しているかどうかは、厚生労働省の「労働保険適用事業場検索」で調べることができます。
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労災保険はパートでも利用可能!働き方は関係ないが掛け持ちは注意
どうも、労災認定を受けたゴローです。 早速ですが、仕事が原因でケガや病気になったのに、会社からこのように言われていませんか。 「労災は正社員だけで、パートの人は労災を使えない」 実はこのような発言は会 ...
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会社が事業主証明を書いてくれない
労災保険の請求書には、事業主証明の欄がある書類があります。
例えば、休業補償支給請求書(様式8号)です。
実は、事業主証明はなくとも労働基準監督署は請求書を受理してくれます。
ただし、会社に事業主証明を求めて、拒否された経緯を説明した書面を提出する必要があります。
うつ病などの精神障害の労災申請を会社が認めない
労災保険は、ケガだけでなく、病気でも仕事との因果関係が認められれば、給付金が支給されます。
僕も過労とパワハラでうつ病を発症しましたが、労災認定されています。
精神障害で労災申請をお考えの方は、以下の記事でわかりやすく解説しましたので、ぜひ御覧ください。 どうも、うつ病で労災認定を受けることができたゴローです。 この記事は以下の悩みを解決することができます。 「怪我じゃなくてうつ病でも労災はおりるのだろうか?」 「仕事でうつ病になってしまったけど、自分 ... 続きを見る
【簡単ガイド】うつ病の労災認定基準と認定されるための手順
労災申請中の経済的な負担
病気での労災申請は、労働基準監督署の判断が出るまでに時間がかかります。
早くて半年、長いと1年以上になることも珍しくありません。
その間に働けず、全くお金が払われないと生活が困窮してしまいます。
そこで傷病手当金を受給しながら、労災申請をすることで経済的な負担を軽減することができます。
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労災申請予定の傷病手当金の問題解決策(労災以外も利用可)
どうも、労災認定前に傷病手当金を受給していたゴローです。 この記事では以下の悩みを解決することができます。 「労災と傷病手当金のどちらがいいんだろう?」 「労災申請したら傷病手当金がもらえなくなるのか ...
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本来、労災によるケガや病気の場合は、健康保険を利用した傷病手当金を受給することができませんが、労災が認められた場合には返金することを健康保険協会や組合と約束して傷病手当金を受給することが可能です。
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【労災保険】健康保険から切り替える3つの方法
どうも、労災認定を受けたゴローです。 この記事では以下の悩みを解決することができます。 「労災なのに、間違って健康保険証で治療してしまったがやり方がわからない」 「労災認定されたので、健康保険で治療し ...
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労災申請の結果通知
労災申請の結果は、圧着はがきで郵送されます。
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労災認定通知の内容紹介(見本あり)
どうも、うつ病で労災認定を受けることができたゴローです。 今回は以下のような疑問にお答えする記事になります。 「労災認定の結果はいつどんな内容で通知されるのだろうか」 おそらく、労災申請を考えている方 ...
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通知の時期はケガや病気と仕事との客観的な事実がわかりやすければ、早く結果通知が送られてきます。
例えば、事故でケガをした場合で、会社も労災であることを認めており、労働基準監督署も直ぐに判断がつくような証拠や状況であれば、1ヶ月程度で結果がわかります。
しかし、うつ病などの精神障害では、客観的にはわからず、会社もパワハラや長時間労働の実態などを争ってくると、労働基準監督署の調査も長引きます。
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労災認定の審査期間の目安と僕が経験した調査内容
どうも、うつ病で労災認定を受けることができたゴローです。 この記事は労災の審査中で以下のような悩みをお持ちの方向けの記事です。 「労災認定されるまでの審査期間はどれくらいかかるのだろうか?」 「審査期 ...
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まとめ
労災だと思うケガや病気が発生したら、まずは会社への報告と医師の診察を受けます。
そして、自分に起きた労働災害が、業務災害と通勤災害のどちらの対象になるか見極めて、支給を受けたい請求書を提出しましょう。
請求書には沢山の項目がありますが、記入例を見ながら、埋めていけば、そう難しくはありません。
ただし、ケガや病気が客観的に仕事と関係していることを証明するのが難しい場合は、申請書を出すだけでなく、証拠や主張する書面も準備しましょう。
会社側も労災を嫌がる場合もありますが、労災の利用は労働者の権利であり、労災かどうかを決めるのは、労働基準監督署になりますので、ここのサイトで紹介している内容を確認しながら、労災申請を進めてみてください。
体調が万全でないこともあり、自分で労災申請するのが難しいと思う方は、労災に強い弁護士に依頼しましょう。
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【労災認定者が教える】労災に強い弁護士を探すまでの全手順
どうも、うつ病で労災認定を受けることができたゴローです。 今回は以下の悩みを解決することができる記事になります。 「弁護士に依頼するなら、労災に強い先生にお願いしたい」 「どうやって労災に強い弁護士を ...
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最後までご覧いただき、ありがとうございました。
この情報があなたの次の一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。