どうも、うつ病で労災認定を受けたゴローです。
今回は労災保険の休業補償給付金を受給するための申請手続きは誰が行うのかということについて解説したいと思います。
この記事では、私が労災申請を行うにあたり、以下のような悩みや疑問がありましたので、その点についても解説していきますので、最後までお読みいただければ、同じ悩みを持つ方も解決できるはずです。
・労災申請を会社に断られたらどうしようか
・労災申請の書類が沢山ありすぎてどれを使えばいいのかわからない
・ケガや病気で自分で労災申請できないが、どうしたらよいか
労災の休業補償の手続きができる人
労災保険の申請をする権利があるのは、本人です。
(もし、本人が労災で亡くなっている場合は遺族の方になります。)
そのため、休業補償給付金の申請手続きは本人が行うのが、原則ですが、ケガや病気で本人が申請できない場合は、会社や家族などが代行することもできますし、士業を営む弁護士や社労士、行政書士などに依頼して、手続きを行うことも可能です。
つまり、申請手続きをする際に、委任状を提出して、本人以外が権利を行使することができるのですが、代理人となった人の行為は委任した人の行為として扱われますので、信頼できる家族や士業の方にお願いするのが一般的です。
上に記載したように会社が手続きをすることもできますが、労災を認めない場合もあり、手続きが進まないこともありますので、その点について次は解説します。
会社が労災を認めない場合
労災であるかどうかを判断するのは、労働基準監督署であり、会社ではありません。
そのため、会社が認めなくても労災申請をすることは可能です。
ですが、労災申請の請求書には、事業主証明の欄がありますよね。
じつは、この欄は未記入でも請求書を受理してもらうことができます。
ただし、手順を踏む必要があります。
事業主証明を拒否された場合の手順
手順としては、まず、会社が事業主証明の記入を拒否した履歴をつくることです。
口頭でも書面でもよいので、会社に事業主証明の記入を依頼したが拒否した事実を、労災申請の書類を出すときに経緯として書面にし、労働基準監督署に提出しましょう。
実際に僕も会社に事業主証明を拒否されましたが、経緯を簡単に書いた書面をつくり、受理してもらい、労災認定を受け、休業補償給付金を受給できました。
うつ病などの精神障害の労災申請は、会社が認めないケースがほとんどだと思います。
なぜなら、発症した原因が長時間労働やパワハラなど違法行為を認めることと同義になるからです。
仮に認めた場合、会社は損害賠償請求や未払い残業代の請求を受けることになります。
また、ケガの場合でも、現場の安全性の問題が指摘されることもあり、同様に認めないケースも考えられます。
しかし、労災かくし自体が犯罪になり、会社は労働基準監督署に労働者死傷病報告の提出が義務付けられてます。
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会社が労災申請を嫌がる理由と違反行為
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休業補償給付金の申請書類
休業補償給付金を申請する書類は、以下の書類になります。
業務災害は休業補償給付支給請求書(様式8号)
通勤災害は休業給付金支給請求書(様式16号の6)
あなたの労災が、業務災害か通勤災害のどちらかわからない場合は、以下のページに解説していますので、参照してみてください。
こちらのページでは他の給付金も含めて、いつどこでだれがどこにどのように申請するのか、他に必要な書類は何かなど、記入例へリンクもつけて解説していますので、ご参考ください。
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【記入例あり】労災申請に必要な書類を5W1Hで解説
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受任者払い制度を利用する場合の書類
受任者払い制度とは、労災保険で支給される給付金相当額を会社が先に立替、労災の審査後に会社の口座に振り込んでもらう制度です。
この制度を利用できれば、労災で仕事ができずに給料が出ない場合でも生活費に困りません。
なぜなら、労災の審査には時間がかかるからです。
仕事中のケガで会社側も労災を認めているような場合でも審査を行い、実際に振り込みがあるまでは1ヶ月程度はかかります。
その間、給料がでなければ、生活に困り、療養もままならないことがあるでしょう。
そのようなケースを救済する制度です。
受任者払い制度を利用する方法については、以下のページで紹介しています。
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労災の休業補償を申請する全手順【いつまでにいくら払われるのかを解説】
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ただ、実際に利用できるケースは少ないと思います。
なぜなら、会社が労災を認めて、前払いしないといけないからです。
うつ病などの精神障害の労災の審査には最低でも半年はかかり、それ以上であることも珍しくないのですが、利用することは難しいでしょう。
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労災認定の審査期間の目安と僕が経験した調査内容
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その場合は、療養期間と労災の審査期間が長くなればなるほど、生活に困ります。
僕もそうでした。
そのため、僕が利用したのは健康保険の傷病手当金です。
通常、傷病手当金は労災のケガや病気では受給することができません。
しかし、全く利用できないわけではありませんので、検討して見る価値はあります。
詳細については、以下のページをご参照ください。
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労災申請予定の傷病手当金の問題解決策(労災以外も利用可)
どうも、労災認定前に傷病手当金を受給していたゴローです。 この記事では以下の悩みを解決することができます。 「労災と傷病手当金のどちらがいいんだろう?」 「労災申請したら傷病手当金がもらえなくなるのか ...
まとめ
・休業補償給付金の申請手続きは本人以外でも可能
・労災申請を会社に拒否されても手続きは進められるし、認定もされる
・休業補償給付金の申請の書類は、業務災害か通勤災害かで異なる
・休業補償給付金が支給されるまでには時間がかかるため、受任者払い制度がある
最後にゴローからのエール
療養中の方は、ここまで読むのもしんどかったかもしれませんが、最後までご覧いただき、ありがとうございます。
労災保険の休業補償は、給料の8割が支給される手厚い補償ですが、審査も厳格で時間もかかります。
さらに、労災関連の書類は煩雑で、療養しながら手続きをすすめるのは大変です。
その場合は、このサイトで紹介していることをざっと読んで、おおまかな流れを掴んだら、弁護士や社労士などの専門家に依頼しましょう。
きっと、スムーズに労災認定に向けた手続きをサポートしてくれるはずです。
ここでの情報があなたが新しい一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。