労災 労災申請

労災申請予定の傷病手当金の問題解決策(労災以外も利用可)

どうも、労災認定前に傷病手当金を受給していたゴローです。

この記事では以下の悩みを解決することができます。

「労災と傷病手当金のどちらがいいんだろう?」

「労災申請したら傷病手当金がもらえなくなるのかな?」

「労災申請したら、会社が嫌がらせをして傷病手当金の手続きをしてくれない」

おそらく、はじめて労災保険や傷病手当金を申請する人は、誰もが、このような悩みを抱えているでしょう。

実は、労災保険と傷病手当金の制度の基礎を理解できれば解決します。

実際は、僕も同じような悩みを抱えていましたが、この記事で紹介する方法を実践することで解決できました。

もし、あなたが同じような悩みを解決したいと思ったら、ぜひこのページを参考にしてください。

そうすれば、どのように手続きを進めればよいのかを理解し、次の行動を起こすことができるでしょう。

労災保険と傷病手当金

考える

労災保険とは

労働災害保険とは通勤や業務中に発生した怪我や病気に対する保険です。
この保険に加入していると、国から怪我や病気によって働けなくなった期間の給料の一部や治療費を補償してもらうことができます。

労災では、給料の8割が給付され、受給期間に制限はありません。

傷病手当金とは

傷病手当金は、業務以外の原因による怪我や病気で休養している間の生活を保障する制度です。
加入している健康保険組合や協会から手当金を受給することができます。

傷病手当金は、給料の6割が給付され、受給期間は1年半となります。

どちらを申請したほうがよいのか

金銭的なことを含めて、補償としては、労災保険のほうが手厚くなっています。

しかし、どちらを受給できるかは怪我や病気の原因が業務上のものであるかどうかによって決まります。

そのため、労災を受給するために申請を行うと業務上であるかどうかの調査が労働基準監督署によって慎重に行われます。

特に、病気の場合は因果関係を様々な視点で調査するため、時間がかかります。

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労災の調査期間

僕がうつ病で労災申請したときは、労働基準監督署に申請書を出してから、結果通知が来るまでに7ヶ月がかかりました。

通常は6ヶ月程度かかると労働基準監督署に言われていました。

仮に労災認定されずに、調査結果(行政処分)に不服として審査請求をするとさらに半年、1年とかかります。

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審査請求でも認定されないと再審査請求や国との裁判となり、恐ろしく長い時間がかかります。

この間に体調が戻らなければ、働くこともできず、労災の給付もないとなると経済的に困ってしまいますよね。

労災申請中に傷病手当金を受給する方法

お金と時間

労災申請中も傷病手当金を受給することは可能
です。

ただし、労災認定されたら、傷病手当金を返還する必要がありますので、両方を同期間に受給することはできません。

計算
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また、加入している健康保険協会や組合によっては、労災申請中の傷病手当金の受給を認めないこともあるそうです。

そのため、一度、加入している健康保険協会や組合に問い合わせしてみてくださいね。

健康保険協会や組合への問い合わせ方

僕も実際に不安があったので、総合労働センターや弁護士に相談したことがありますが、原則はどちらかしか受給できないが、実務上、傷病手当金を受給できないということはないとアドバイスを受けた上で、問い合わせしてみました。

「これから労災申請する準備するのですが、病気が病気なだけに労災認定されるかどうかわかりません。また、認定されるまでどれくらいかかるかもわかりません。もし、認定されたら、傷病手当金を変換するので今までとおりに傷病手当金を受給できませんか」

このように伝えたところ、「労災申請をしたときと認定されたときに連絡くださいね」と言われて、了解を得ることができました。

冒頭に、「弁護士に労災申請について相談中」など、実際に相談した先(弁護士、社労士、労働基準監督署など)をつけておくと具体的でよいかもしれません。

会社が傷病手当金の手続きをしない場合の対処法

step

実際に私が労災申請の手続きを始めようとしたところ、会社が傷病手当金の手続きをストップさせるという嫌がらせを受けました。

傷病手当金は会社の証明が必要であり、義務でもありますが、罰則はありません。

そのため、健康保険協会や組合から催促してもらったり、悪質な場合には注意してもらうようなことしかできませんが、それでも効果はありましたので、お困りの方は実践されると良いと思います。

対処法の手順

1.健康保険協会や組合に傷病手当金の書類が届いたかどうか確認

リアルタイムで書類の受け取りが確認できるわけでありませんが、2−3日前時点で届いているかどうか確認することができます。

2.会社に状況を確認し、手続きをすすめるように依頼

電話で連絡する余裕があれば、理由や状況を確認してみましょう。

僕は精神的に無理でしたので、その当時、会社とのやり取りはメールや手紙でしていました。

傷病手当金の手続きをしてくれないと生活が困窮し、通院することもままならなくなると書き、いついつまでに手続きをしてもらうようにお願いしましょう。

3.期限から数日経ってから健康保険協会や組合に確認

まだ、届いていないようであれば、これまでの状況を伝えて、もう一度会社に自分で連絡するが、もし、手続きしてもらえない場合は、健康保険協会や組合から連絡してもらうようにお願いしましょう。

4.会社に健康保険協会と組合に連絡したことと早く手続きするように依頼

再度手続きしてもらう期限を決めて、次回は健康保険協会と組合から会社に連絡があることを伝えましょう。

5.それでも期限までに連絡がない場合は、健康保険協会や組合から連絡してもらう

僕の場合は4の段階ではじめは手続きされていましたが、2度めの遅延の際には実際に健康保険協会の方に連絡してもらって、すぐに手続きが行われました。

対処法のポイント

1.病気休業中に被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度であること

会社が証明の手続きを行わないことはこの制度の目的に反しており、悪質であることを、会社にも健康保険協会や組合にも伝える

2.会社は申請者の求めがあれば、記載する義務があること

罰則はなくとも会社には記載する義務があり、それに違反していることを伝える

3.傷病手当金は会社の給料日以降にしか手続きできないこと

会社は傷病手当金では申請書通りに休んでいたこととその間は給与を支払っていないことを証明する手続きになりますので、会社の給料日以降に手続きを行います。

そのため、どんなに早くとも給料日から10日程度はどうしても書類を郵送するのに時間がかかると思っておいたほうがよいでしょう。

例えば、月末が給料日で、その日に通院して医師の証明をもらい、その日のうちに会社に郵送して、会社が次の日に記載して、健康保険協会に届くのが、さらに翌日となります。

最短でもこれぐらいはかかるので、会社に届いてから手続きを進めてもらうのが数日間は見ておかないといけません。

あまり急ぎ過ぎてしまっても、会社も健康保険協会や組合もそんなに早くはできないと逆に言われてしまいますので、注意しましょう。

この3点を抑えて、経緯を残してつつ、会社の行為が悪質であることを伝えれば、嫌がらせもなくなるはずです。

傷病手当金の振込先を会社にしてほしいと言われた場合の対処法

審査

振込先を本人以外にするには同意が必要です。でも、嫌ですよね。僕も拒否しました。

なぜなら、会社を振込先にされたら、会社が自分に振り込まないリスクと振込が遅くなるリスクがあるからです。

僕の1度目の対処法

僕は傷病手当金の申請書を会社に提出した段階で傷病手当金の金額を振り込んでくれるのなら、よいがそうでないなら、同意できないと伝えました。

つまり、ただでさえ、給料日より手元にお金が入るのが遅くて不安なのに、さらに遅くなってしまっては生活に支障が出る恐れがあるということを伝えました。(ここでも傷病手当金の制度の目的に沿っています)

このことを伝えたところ、会社の社労士はすぐに引き下がりました。

2度目の対処法

会社から振込先の変更をしないのなら、厚生年金や健康保険料をすぐに支払ってほしいと、社労士を通じて連絡がありました。

年金や健康保険の保険料を支払わなくてはならないのはわかるが、実情として、給料の6割しか手元に入らず、給料を全額もらっていたときと同じ金額を支払うのは困難であるので、有給を買い取って充当してもらうことはできないかとたずねました。

社労士は有給は買取ができないとの回答であったため、それであれば、今は体調が改善することを最優先に目指して、復帰後に返却したいと伝えました。

社労士も「会社は支払ってくれない」と厳しいと言っていたとのことで、僕から月に5000円ずつであれば、なんとかなると伝えたところ、一度持ち帰るということになり、その後、会社から振込先の変更依頼はありませんでした。

まとめ

業務上の病気や怪我をした場合は、補償面から見れば労災申請をしたいですが、申請から給付までの期間の経済的な事を考えると一度傷病手当金を受給しながら、労災申請をするが現実的です。

こちらで紹介した方法を参考に対処してみてください。

ブラック企業では病気で休職すると、嫌がらせをしてやめさせようとすることもありますし、労災申請されると労働基準監督署の検査やその後の損害賠償の請求などを恐れて、取り下げさせようと様々な手段で嫌がらせをしてくることが考えられます。

僕は病気で自分一人で対処するのは難しかったので、専門家のサポートを受けることにしました。

同じように難しければ、労災に強い弁護士に一度相談してみることをお勧めまします。

労災申請も社労士の方が行ってくれることもありますが、嫌がらせをしてくるような会社では、残業代の未払いやパワハラなども行われていることが多く、弁護士にサポートしてもらったほうが効率的です。

弁護士への相談というと敷居が高いようにも思いますが、初回は無料の相談や30分5000円程度で相談もあります。

弁護士によっては着手金無料の成功報酬で受けてくれる先生もいますし、法テラスというところを利用する方法もあります。

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ここでの情報を参考にあなたが新しい一歩を踏み出す事ができたなら、うれしく思います。

  • この記事を書いた人

ゴロー

うつ病で休職して労災認定された人。復職せず、フリーランスと会社員のダブルワーク。休職してからフリーランスで稼ぐまで3年間は給料なし。休職・傷病手当・労災保険・失業保険など再起を図るために必要な情報を配信中。会社や役所が丁寧に教えてくれず「原則は〜」で説明を終わらせてる情報を、うつ病、休職、退職で苦しんでる人に届けたい。 【経歴】 ブッラク企業入社→うつ休職→労災認定→職業訓練→フリーランスと会社員のダブルワーク

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