どうも、労災認定を受けることができたゴローです。
今回の記事は以下の悩みをお持ちの方に向けた記事になります。
「労災の休業補償を申請したいけど、いつ頃、いくらもらえるのだろうか」
「休業補償給付の申請手続きをしたいけど、わかりづらい」
はじめての労災申請ではみなさん同じような悩みをお持ちだと思います。
僕自身も初回の休業補償給付の申請では、同じような書類が沢山あって、混乱しましたが、労災の給付の中で一番金額が大きくなる休業補償にだけ、まずは集中すれば、難しくはありません。
僕もここで紹介する休業補償給付に関する概要を理解してから、2回目以降は簡単に手続きできました。
このページを読んでいただけば、きっとあなたも簡単に手続きできるはずです。
労災の休業補償給付とは
休業(補償)給付は、仕事や通勤が原因となって、ケガや病気となってしまい、療養のために働くことができず、賃金を受けられてない人に対して、支給されます。
業務災害の場合には休業補償給付の名称、通勤災害の場合には休業給付の名称で支給されます。
業務災害と通勤災害の違いについては、下記の記事で紹介しています。
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その他の給付
労働者災害保険には、休業(補償)給付以外にも様々な給付があります。
療養補償給付 | 業務上の負傷または疾病により病院等で治療を受けた場合に、治療費の全額が給付される |
遺族補償年金 | 被災者が死亡した場合に、遺族に対して給付される。業務上災害は遺族補償年金、通勤災害では遺族年金として給付される。 |
障害補償給付 | 業務上の負傷または疾病で障害が残った場合、障害等級に応じて年金または一時金が給付される。 |
介護補償給付 | 災害により、一定の障害に該当するものがあり、介護を受けている場合に給付される。 |
葬祭料 | 被災者が死亡した場合、遺族や友人など労働者の葬祭を行うものに対して一定額が給付される。 |
休業補償給付内容
労災では、療養費などが給付されるため、手厚い補償ですが、もっとも大きなポイントとなるのが、働けない期間の給与の補償をしてくれる休業(補償)給付になります。
ここから詳しく解説していきたいと思います。
支給条件
支給条件は3つあります。
業務上の事由又は通勤による負傷や疾病による療養中であること
あなたの負ったケガや病気の原因が仕事や通勤にあることが証明されなくては、支給されません。
労働することができないこと
休業(補償)給付の目的が療養のために働けない人に対する補償になりますので、働くことができるのであれば、支給されません。
賃金をうけていない
本来、会社は労働基準法によって、補償する義務を負っていますが、労災保険に加入していることで、補償義務の一部を労災保険で支払うことになるからです。
給付額
給付額の内訳は、休業(補償)給付と休業特別支給金に2分されます。
休業(補償)給付=給付基礎日額の60%✕休業日数
休業特別支給金=給付基礎日額の20%✕休業日数
大雑把に言うと給料の8割が労災の休業補償で支給されます。
給付基礎日額は、ケガや病気が発生した日の直前3ヶ月間の給与から平均賃金を割り出した金額になります。
具体例
2017年7月に労災が発生。1年間休業。1ヶ月の給与は40万円。
2017年4月から6月までの日数は、4月が30日、5月は31日、6月は30日になるため、91日間の1日あたりの平均賃金から給付基礎日額を算出します。
給付基礎日額
40万円✕3ヶ月÷91日≒13,187円(※1円未満の端数は切り上げ)
休業補償給付
13,187円✕60%≒7,912円(※1円未満は切り捨て)
7,912円✕365日=2,887,880円
休業特別支給金
13,187円✕20%≒2,637円(※1円未満は切り捨て)
2,637円✕365日=962,505円
待機期間
最初の3日間は待機期間として扱われ、労災の補償対象にはなりませんので、支給額されません。
待機期間として、支給されない金額のため、上記の合計から引く必要があります。
(7,912円+2,637円)✕3日=31,647円
そのため、休業補償給付分の60%は、会社が補償する義務がありますので、会社に23,736円(7,912円✕3日分)を請求しましょう。
合計支給額
3,818,738円
今回は、1年間まとめて請求した例で解説しましたが、労災認定後は1月ごとの給与締め切りに合わせて請求することが可能です。
僕のように、病気で労災申請した場合は、認定を受けるまでに時間がかかるため、具体例のように1度目がまとめて請求することになります。
その間は、支給がないため、傷病手当金を受給していました。
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入社直後の場合
入社して3ヶ月未満で労災が発生してしまった場合は、入社後の期間の賃金から平均賃金を算出して、基礎給付日額に利用します。
労働基準法の12条6で決められています。
この法律で平均賃金とは、これを算定すべき事由の発生した日以前三箇月間にその労働者に対し支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除した金額をいう。ただし、その金額は、次の各号の一によつて計算した金額を下つてはならない。一 賃金が、労働した日若しくは時間によつて算定され、又は出来高払制その他の請負制によつて定められた場合においては、賃金の総額をその期間中に労働した日数で除した金額の百分の六十
二 賃金の一部が、月、週その他一定の期間によつて定められた場合においては、その部分の総額をその期間の総日数で除した金額と前号の金額の合算額
雇入後三箇月に満たない者については、第一項の期間は、雇入後の期間とする。
入社日に労災が発生してしまったら、雇用契約書に記載されている賃金などから、最終的には各都道府県の労働局が決めることになります。
給付の時期
労働基準局で労災認定の決定後、1週間から10日後に休業補償給付請求書に記載した金融機関に振込があります。
労災申請してから労災認定されるまでの期間は、ケガなどで会社が労災を認めており、労基署からみても明らかに労災だとわかるような場合は1ヶ月程度で労災認定の結果がでます。
しかし、精神障害などの病気の場合には労災認定されるまでに、労基署が慎重に調査しますので、最低でも半年はかかり、それ以上かかることも珍しくはありません。 どうも、うつ病で労災認定を受けることができたゴローです。 この記事は労災の審査中で以下のような悩みをお持ちの方向けの記事です。 「労災認定されるまでの審査期間はどれくらいかかるのだろうか?」 「審査期 ... 続きを見る
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受任者払い制度
支給額が振り込まれるまでに、どんなに早くとも労災申請をしてから1ヶ月半程度はかかります。
その間は、給与の振り込みもなく、療養に専念できません。
そのため、あなたが休業補償給付金を受け取るまでの間に、会社が休業補償給付金相当額を立て替えてあなたに支払い、後日支給される休業補償給付金を、会h差の口座に振り込んでもらうことができます。
これを「受任者払い制度」といいます。
この制度を利用するときには、委任状が必要になります。
受任者払申出書は、滋賀労働局へのリンクです。同じような書式があなたの会社の管轄の労働局にもあると思いますので、管轄の労働基準監督署にご相談ください。
結果通知
労災認定の結果通知は、圧着はがきが郵便で届きます。
支給決定通知決定書の詳細をご覧になりたい方は、下の記事で紹介していますので、ご確認ください。
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結果に納得がいない場合
あなたのケガや病気が労災ではないと不認定の結果を受けてしまった場合には、労災保険審査請求制度を利用することができます。
これは、あなたの労災申請を不認定と決定した労働基準監督署を管轄している都道府県労働局に審査を再度依頼することができます。
審査請求
審査請求は、結果通知を受けてから3ヶ月以内に行わなければなりません。
審査請求をすると決めたら、まずは、なぜ不認定となったのかを調べる必要がありますので、都道府県の労働局で個人情報開示を受けてください。
労災の調査に使った資料や労基署がなぜ認定しなかったのかがわかります。
この資料は、労基の調査に協力したの個人情報を守るため、黒塗りになっている部分が多いですが、なぜ不認定になったのか、審査請求でどのような主張するべきかがわかります。
審査請求でも納得できない場合
審査請求でも納得が行く結果が得られない場合には、2ヶ月以内に再審査請求を行うことができます。
再審査請求では、労働保険審査会で審査を受けることができます。
それでも、結果が得られないときは、6ヶ月以内に取消訴訟を起こして争っていくことになります。
ちなみに、審査請求後、再審査請求を利用せずに、審査請求結果の6ヶ月以内に取消訴訟を行うこともできます。
休業補償給付の請求方法
請求方法は、休業補償給付請求書を労働基準監督署に提出します。
申請できる期限は労災となるケガや病気などが発生した翌日から2年です。
2年を過ぎてしまうと、労災申請できないわけでないのですが、支給されない日があるということです。
例えば、3年前の労災事故を申請すると、事故発生から1年間の分は不支給となり、残りの2年分が支給されます。
請求書を提出して、労災申請しておけば、労働基準監督署に受理された時点で時効は中断されますので、早めに提出しましょう。
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2回目以降の請求
労災認定後は、1ヶ月毎程度に請求書を提出しましょう。
認定後も医師や会社による事業主証明は必要になりますので、給与の締め後の通院時に医師の記入と会社の証明を受けるのが、もっともスムーズに早く支給されるでしょう。
すでに会社を退職している場合には、会社の証明は不要ですが、請求する期間内に在職している日があれば、会社の証明は必要になります。請求する期間に、会社の在職する期間がなくなれば、医師の証明のみで提出できます。
2回目以降は、労災かどうかの調査がありませんので、1ヶ月程度で支給されます。
まとめ
労災の休業補償は、給与の8割が請求される手厚い補償です。
支給条件は、仕事が原因のケガや病気のため働くことができず、療養する必要があり、給与が出てない人に対するものです。
支給までの期間は、発生した原因の内容や状況によりますが、1ヶ月から半年、それ以上の場合もあります。
2回目以降は、仕事との因果関係の調査期間はありませんので、1ヶ月程度、支給されます。
もし、1度目で認定されなくても、審査してもらう機会は他にもありますので、諦める必要はありませんが、初回から労災に強い弁護士などのサポートを受けることをオススメします。
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ここでの情報があなたの新しい生活の一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。