労災 労災認定

【簡単ガイド】うつ病の労災認定基準と認定されるための手順

どうも、うつ病で労災認定を受けることができたゴローです。

この記事は以下の悩みを解決することができます。

「怪我じゃなくてうつ病でも労災はおりるのだろうか?」

「仕事でうつ病になってしまったけど、自分のケースは労災認定の基準を満たしているのだろうか?」

長時間労働やパワハラでうつ病になってしまった人の多くは同じような悩みをお持ちだと思います。

実は、うつ病などの精神障害の労災認定の基準は、管理している厚生労働省によって具体例つきで示されています。

実際に僕もこの基準に沿って労災申請したことで、認定されました。

もし、あなたもうつ病で労災認定を受けたいと思ったら、このページを読み込み、自分のケースが認定される可能性があるかどうか確認してみてください。

僕が実践した手順を行えば、あなたが認定される可能性がわかるとともに、認定される可能性を高めるためにすべきことがわかるはずです。

そもそも労災認定される基準はあるのか

法則

平成23年12月に厚生労働省が精神障害に対して労災が適用される基準として「精神障害の労災認定」を新たに定めました。

それ以前は具体的な基準はなく、うつ病などの精神障害ではほとんど労災認定されることはありませんでしたが、認定基準が設定されてからは、認定されるケースが増えています。

精神障害の労災補償
引用:精神障害に関する事案の労災補償状況(厚労省HPより)

しかし、図表の通り、30%程度と低く、精神障害の労災認定は難しいのが現実です。

なぜなら、病気の発症と仕事の因果関係を第三者に認めてもらうのが困難だからです。

そのため、労災認定されるためには、因果関係を労災基準に沿って、第三者である労働基準監督署に主張できるかどうかが重要になります。

なぜ、認定基準に沿って主張することが重要か

疑問

労災は、正式には労働者災害補償保険といい、従業員が仕事で怪我や病気となり、働けなくなった場合の生活の補償のための制度です。

会社が保険料を全額支払って、保険に加入します。

労災については、労働者災害補償保険法によって厚生労働省が運営していますので、その下部組織である労働基準監督署にて、加入手続きを行います。

このように国によって管理されている保険であり、認定されるかどうかの基準も厳格です。しかし、認定基準をクリアできれば認定されるとも言えます。

主張できるタイミング

もっとも、良いタイミングとしては、労災を初めて申請するタイミングで、意見書にまとめて提出するのがよいでしょう。

また、申請後に、労働基準監督署から聞き取り調査が行われるタイミングでも意見書に沿って口頭でも説明するのがよいでしょう。

うつ病の労災認定簡単ガイド

ガイド

うつ病などの精神障害の労災認定を受けるためには、以下の3つの基準を全て満たす必要があります。

1.認定基準の対象となる精神障害を発病していること

2.認定基準の対象となる精神障害の発病前おおむね6ヶ月の間に業務による強し心理的負荷が認められること

3.業務以外の心理的負荷や個体側要因により発病したとは認められないこと

1つずつポイントをご説明していきます。

1.認定基準の対象となる精神障害を発病していること

対象疾病
引用:「精神障害の労災認定」 厚生労働省より
こちらの表に掲載された病気が発症していることは条件となります。

労災申請に際して、申請書類で医師の証明が必要となりますので、対象の病気であると診断されている必要があります。

うつ病の場合は、F3の気分(感情)障害となります。

2.認定基準の対象となる精神障害の発病前おおむね6ヶ月の間に業務による強し心理的負荷が認められること

発症前の6ヶ月間に受けた過重労働やパワハラなどの具体的な出来事が「業務による心理的負荷評価表」に照らして「強」と判定される必要があります。

また、1つも出来事の「強」がなくても、「中」や「小」の出来事の数や内容、発症時期と出来事発生の時期が近いかどうかなどで、総合評価が「強」と判断されることもあります。

私が労災認定を受けるためにもっとも力を入れた部分です。

なぜなら、客観的に判断がつきづらく主張が認められるためには、証拠や証言などの根拠が必要だからです。

僕が主張した手順

1.長時間労働の確認

タイムカード、PCのログイン履歴、Suicaやパスモの交通系ICカードの履歴など客観的な証拠で、労働時間を集計し、時間外労働(週40時間を超える労働時間)が以下の基準に該当していないか確認する。

発病直前の1ヶ月でおおむね160時間以上の時間外労働

発病直前の3週間におおむね120時間以上の時間外労働

これら2つのケースでは「特別な出来事」の「極度の長時間労働」として、「強」と評価されると厚労省が示しています。

発病直前の2ヶ月間連続して1月あたりおおむね120時間以上の時間外労働

発病直前の3ヶ月間連続して1月あたりおおむね100時間以上の時間外労働

この2つのケースでは「出来事」の「長時間労働」として、「強」の判定になると厚労省が示しています。

また、長時間労働と他のパワハラなどの出来事が重なり、発病しているケースなど、必ずしもこの時間を超えないと「強」判定にならないわけではなく、総合的な評価で「強」判定になることもあります。

しかし、労働時間は数字ではっきりと基準を超えれば、「強」判定となりますので、もっとも客観的に主張できる部分です。

2.長時間以外の出来事の確認

「精神障害の労災認定」では、出来事を36に分類して、分類ごとに具体例を示し、「弱」「中」「強」の例を示しています。

パワハラのような行為を含めて、職場で起こる様々なトラブルが掲載されていますので、具体例に沿って、あなたの出来事と照らし合わせて見てください。

僕は、事実に照らして、認定基準の出来事に合致するものを探して、「強」の出来事を3つ、「中」の出来事を6つの合計9個を長時間労働とは別に主張しました。

主張した出来事には、自分で立証できる出来事もあればないものもありました。

証拠がないものも主張した理由

自ら客観的証拠を示し、主張するのが望ましく説得力もありますが、現実的には証拠になるものを会社が抑えていたりして、自分に有利になる証拠が集めきれない出来事もあります。

裁判では、主張するためにはまず自分で証拠を示していかなくてはなりませんが、労災申請の際には、出来事が事実であれば、主張してみるべきだと思います。

なぜなら、労災では、自分だけではなく、会社にも聞き取り調査が行われるため、同僚たちが労基の調査で証言してくれる可能性があるからです。

僕も労基の調査で同僚が証言している出来事があり、労災認定後の個人情報請求の開示手続きで労基の調査書に記載されていました。

長時間労働やパワハラが行われるようなブラック企業では、同僚も同じように悩んでいるケースも多々ありますし、「出来事」の中には、上司や同僚、部下とのトラブルに関する項目や仕事量の変化に関する項目など一緒に働いていた人であれば、わかるようなこともありますので、諦めずに、事実を主張することが労災認定を受けるためには大切だと思います。

3.意見書の提出

上記の内容をまとめ、労災申請書類(休業補償の申請書類)と同時に意見書として提出しました。

申請書類を提出後に、聞き取り調査が後日行われますが、聞き取り調査は弁護士や家族も同席することはできませんので、事前に意見書に主張したい内容をまとめておきましょう。

3.業務以外の心理的負荷や個体側要因により発病したとは認められないこと

業務以外の心理的負荷表

業務外の心理的負荷
引用:「精神障害の労災認定」 厚生労働省より

業務上の出来事とは違い、この表に掲載されている出来事が一番強い「Ⅲ」であっても、即座に心理的負荷が「強」と判定されるわけではありません。

「Ⅲ」が複数ある場合には発病の原因になっていないか調査されます。

私は、「Ⅱ」の「引っ越し」がありましたが、労基の聞き取り調査で負担になっていなかったかどうか確認があり、口頭で全く負担にはなっておらず、逆に住環境としては改善されたことを伝え、後日、書面でもその旨を主張しておきました。

個体側要因

過去の既往歴やアルコール依存症などがあり、それが発病の原因ではないかの調査になります。

これもあったからといって、即座に労災認定を受けられなくなるわけではなく、詳しく調査を行い、医学的な評価から出来事と因果関係が認めれあれば労災認定されます。

認定基準を満たせなかったらどうなるのか

基準を満たさなくても以下でご紹介している事件のように、国との裁判で認められたケースもあります。

考える
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通常よりさらに時間はかかりますが、仕事が原因だと思うのであれば、安心して療養して、元の自分に戻るためにも、労災認定を目指しましょう。

専門家のサポート

今回、ご紹介したように労災認定を受けるためにやっておくべきことは沢山あり、病気を抱えながらでは、難しいことも多いでしょう。

実際に会社で起きた出来事を一番理解している人はあなたであることは間違いありませんが、実務的な部分であったり、主張を整理して、根拠を持った文章にまとめてくれる専門家のサポーターの存在は大きいです。

社労士の先生でも労災申請を頼めますが、うつ病では長時間労働やパワハラなども起きていることが多いでしょうから、未払いの残業代の申請や慰謝料請求といった労災では補償されない部分を勝ち取るためにもはじめから労災に強い弁護士の先生にお願いするのがオススメです。

法則
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まとめ

うつ病でも労災認定の基準さえ満たせば、労災の補償を受けることができます。

実際の認定率は低く申請すれば通るというものではありませんが、認定基準に沿って、会社で起きた出来事を主張することができれば、労災認定される可能性は高まりますので、労災に強い弁護士のサポートを受けて、申請をしましょう。

ここでの情報であなたが新たな一歩を踏み出すことを願っています。

  • この記事を書いた人
goro

ゴロー

うつ病で休職して労災認定された人。復職せず、フリーランスと会社員のダブルワーク。休職してからフリーランスで稼ぐまで3年間は給料なし。休職・傷病手当・労災保険・失業保険など再起を図るために必要な情報を配信中。会社や役所が丁寧に教えてくれず「原則は〜」で説明を終わらせてる情報を、うつ病、休職、退職で苦しんでる人に届けたい。 【経歴】 ブッラク企業入社→うつ休職→労災認定→職業訓練→フリーランスと会社員のダブルワーク

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