こんにちは、長時間労働とパワハラでうつ病となり、労災認定を受けたゴローです。
先日、大手IT企業の「楽天」に勤務していた男性が上司の暴行でうつ病となり、労災認定された報道がありました。
僕自身も過労死寸前で労災認定された経験があります。
僕の経験を踏まえて、この事件のようなことがこの会社や同じ業界で再び起きることがないように願い、この痛ましい事件の概要を考察していきたいと思います。
参考:「楽天」上司の暴行で後遺症、2億円超求めて元社員が提訴…会議中に首つかむ
事件概要
2016年6月に「楽天」に勤務していた男性が上司から暴行を受けて頚椎不全損傷やうつ病となり、労災と後遺障害が認められ、損害賠償請求を行っている事件。
勤務先
東京都世田谷区に本社があるIT企業の「楽天株式会社」
事件の当事者
Web広告業務を担当していた40代の男性
勤務状況
2015年に入社
2016年6月14日 本社で会議中に上司に意見を述べたところ、椅子に座っていた男性の首付近を手でつかんで持ち上げ、壁際に立たせる暴行を受けた
2016年7月に退社
男性は頚椎不全損傷やうつ病となった。
労災
渋谷労働基準監督署で労災認定済み
後遺障害も認定済み
損害賠償請求
東京簡易裁判所の調停では不調。
東京地方裁判所に約2億1756万円を求めて提訴中
会社の対応
会社側は不調となった調停では、「2人のケンカであり、会社は関係ない」と主張しているという。
また、弁護士ドットコム編集部の取材には、「楽天では、すべての役職員の人権が尊重され、安心安全に働くことができる職場環境の提供につとめています。ハラスメントに該当する行為が認められる場合、就業規則そのほかにもとづき、厳正に対応しています」とコメントしているという。
楽天株式会社とはどんな会社なのか
東京都世田谷区玉川一丁目14番1号 楽天クリムゾンハウスに本社がある大手IT企業です。
70以上のサービスを展開し、世界に約14億のユーザがいる日本を代表する大企業です。
楽天の暴行労災事件の考察
本事件では、上司による暴行が加えられたということですが、厚生労働省が公表している精神障害の労災認定基準に照らせば、出来事の類型5.対人関係の(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けたに該当します。
この類型では、以下のようなケースが心理的な負荷の強度が「強」と判定され、労災認定されます。
・ 部下に対する上司の言動が、業務指導の範囲を逸脱しており、その中に人格や人間性を否定するような言動が含まれ、かつ、これが執拗に行われた
・ 同僚等による多人数が結託しての人格や人間性を否定するような言動が執拗に行われた
・ 治療を要する程度の暴行を受けた
報道を見る限り、暴行を受けた男性は上記の例に該当しており、労災認定されたものと推察されます。
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また、労災認定されたということは、業務上であったことを労働基準監督署が認めたことになりますので、なぜ会社側が「2人のケンカであり、会社は関係ない」と主張したのでしょうか。
推察になりますが、男性が調停を申し入れて不調に終わったのは、2019年12月6日から2020年7月15日です。
そして、労災認定されたのが、2017年8月1日付けです。
以上からは、労災認定前に会社とは関係ないと主張したのではなく、労災認定され業務上の問題が認められた後に主張しているということです。
この情報からみるとかなり会社側の主張は無理筋に聞こえますがいかがでしょうか。
金額等の条件面で折り合いがつかないのでしょうか。
みんなさんは、この状況をどう感じますか。
最後までご覧いただき、ありがとうございます。
ここでの情報が、会社でのパワハラ等について考えるきっかけになれば幸いです。