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【過労死事件の考察】大阪緑涼高校の教頭はどんな労働環境だったのか

こんにちは、長時間労働とパワハラでうつ病となり、労災認定を受けたゴローです。

2020年8月28日に私立「大阪緑涼高校」の教頭だった男性が過労で自殺してしまった事件の報道がありました。

僕自身も過労死寸前で労災認定された経験があります。

僕の経験を踏まえて、この事件のようなことがこの会社や同じ業界で再び起きることがないように願い、この痛ましい事件の概要を考察していきたいと思います。

参考:残業130時間、私立高教頭自殺 損賠訴訟が和解 学校側が謝罪と再発防止策

事件概要

2018年3月に「大阪緑涼高校」の教頭だった男性が過労で自殺して亡くなり、遺族が損害賠償を請求した事件。

勤務先

学校法人「谷岡学園」が運営する私立・大阪緑涼高校

事件の当事者

教頭の53歳の男性(当時)

勤務状況

2018年4月から共学化と調理製菓科を新設する予定で2月頃から連日深夜まで働いている状況だった。
家族には過労死しそうだと行っている状態だった。
2018年3月に勤務先で自殺して亡くなった。
羽曳野労働基準監督署は亡くなる直前の残業時間は少なくとも130時間に達しているとしている。

労災

羽曳野労働基準監督署で労災認定済み

損害賠償請求

大阪地裁で裁判が行われていたが、学校側が労務管理の不十分さを認めて謝罪し、解決金を支払う内容で和解。

再発防止策として「教員の労務管理に対する配慮を尽くしていく」ことが盛り込まれている。

大阪緑涼高校とはどんな学校なのか

普通科と調理製菓科にわかれています。
普通科には、文理ハイレベルコースと総合進学コース、保育系進学コースがあります。
調理製菓科には、調理師コースと製菓衛生師コースがあります。

大阪緑涼高校を運営している谷岡学園は、大阪商業大学や神戸芸術工科大学、大阪商業大学高等学校、大阪商業大学堺高等学校、大阪商業大学附属幼稚園も運営している学校法人になります。

大阪緑涼高校の過労死自殺事件の考察

労基署の残業時間の推定で130時間の事件ですが、おそらくご本人が拘束され実際に業務にあたっていた時間ももっと多かったのではないかと推察されます。

僕自信も過労で倒れる直前は、通勤・出張の移動時間、休日の持ち帰り、深夜帰宅後の業務などがあり、160時間以上は残業時間があったと申告しましたが、実際に労基署に推定されたのは100時間程度でした。

残業時間については、勤務先にいた時間以外はほどんど認められず、残業の度に明確な業務指示と成果物があるだけでなく、いつから開始していつ完成したかが分かる資料がないものは残業時間として認定されませんでした。

このような状況になっていたのも、本来会社側に義務のある労務管理が適切に行われていたなかったからです。

今回の事件でも学校側の労務管理が不十分であったとのことであり、和解条項に教員の労務管理に対する配慮を尽く」すことが盛り込まれています。

会社や学校が労務管理を怠れば、本人も周りも、はっきりとした労働時間がわからず、過労死レベル以上の時間外労働を行われてしまい、短期間に命を奪ってしまう恐ろしい職場環境になってしまいます。

昨今、学校の先生の労働時間がクローズアップされていますが、なかなか改善されているようには思えません。

学校の先生が過労死レベルの環境で働いていて、通学する子供達に良い影響があるとは思えないのですが、みなさんはいかがでしょうか。

今回の事件は私立高校で起きた事件ですが、公立の教員の残業時間も大きな問題があります。
それは、給特法という公立教員の残業代の支払いを対象外とする法律があります。
この点については、今野晴貴さんの記事に詳しく記載があるので、ご参照ください。

私立学校の教員の残業代未払いは労働基準法違反!

最後までご覧いただき、ありがとうございます。

ここでの情報が、あなたの働き方や過労死について考えるきっかけになれば幸いです。

  • この記事を書いた人

ゴロー

うつ病で休職して労災認定された人。復職せず、フリーランスと会社員のダブルワーク。休職してからフリーランスで稼ぐまで3年間は給料なし。休職・傷病手当・労災保険・失業保険など再起を図るために必要な情報を配信中。会社や役所が丁寧に教えてくれず「原則は〜」で説明を終わらせてる情報を、うつ病、休職、退職で苦しんでる人に届けたい。 【経歴】 ブッラク企業入社→うつ休職→労災認定→職業訓練→フリーランスと会社員のダブルワーク

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