こんにちは、長時間労働とパワハラでうつ病となり、労災認定を受けたゴローです。
先日、本社が東京都台東区の「橋本産業」に勤務する男性がパワハラでうつ病を発症して自殺してしまった事件の報道がありました。
僕自身も過労死寸前で労災認定された経験があります。
僕の経験を踏まえて、この事件のようなことがこの会社や同じ業界で再び起きることがないように願い、この痛ましい事件の概要を考察していきたいと思います。
「パワハラ自殺」遺族提訴 地裁初弁論 会社側、争う構え /山形
事件概要
2018年3月にガス販売などを手がける「橋本産業」に勤務する男性が上司からのパワハラを受けるなどしてうつ病を発症後に自殺して亡くなり、損害賠償を請求した事件。
勤務先
東京都台東区に本社があるガス販売等の「橋本産業株式会社」の山形営業所
事件の当事者
山形営業所勤務の51歳の男性(当時)
勤務状況
1985年に入社し、山形営業所に勤務。
2012年6月頃から営業所の所長から「おまえには人望がない」などと同僚の前で叱責されたりしていた。
2017年6月頃からパワハラが日常化して「課長らしく仕事しろ」「ボーナスもらえるとおもうなよ」などと怒鳴られ、会社に呼び戻されて日誌を何度も書き直すよう指示されたりし、継続的にパワハラを受けていたと遺族側が主張。
2018年3月に自殺して亡くなった。
労災
山形労働基準監督署で労災認定済み
損害賠償請求
山形地裁に提訴中
会社の対応
会社側は「パワハラ行為について具体的な時期や回数をはっきりと示してもらいたい。そのうえで主張を整理したい」としている。
橋本産業株式会社とはどんな会社なのか
東京都台東区上野1丁目15番5号に本社があるガス販売等を行う会社です。
設立は昭和23年の会社で、多くのグループ会社で石油部門、ガス部門、固形燃料部門、商事部門、情報機器部門、自動車・保険部恩と幅広く展開しており、従業員数は1000名の企業。
橋本産業のパワハラ自殺事件の考察
厚生労働省では以下の3要素を満たすものがパワハラとされています。
1.優越的な関係に基づいて行われること
2.業務の適正な範囲を超えて行われること
3.身体的もしくは精神的な苦痛を与えること、又は就業環境を害すること
この事件では同僚の前で叱責が行われていたり、日常的にパワハラが行われていたとの遺族側の主張によれば、パワハラの3要素を満たしているものと思われます。
また、すでに労災認定されていることから、労働基準監督署がパワハラ行為も認定されていると推定されます。
労災認定では、パワハラが心理的負荷が高い出来事に認定される必要があります。
厚生労働省の精神障害の労災認定基準に照らせば、「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」「上司とのトラブル」の類型に該当するとおもわれます。
「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」の類型で心理的負荷が「強」判定されるためには、客観的にみてどうであったかや頻度がポイントになります。
「上司とのトラブル」の類型では、客観的に見てもわかるトラブルであったかやその後の業務への影響具合が強度判定のポイントになります。
本事件のケースでは、同僚の前で叱責が行われており、客観的に見てもわかるようなパワハラだと思いますし、日誌を何度も書き直すように指示するなど異常だと考えられます。
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橋本産業側は「パワハラ行為について具体的な時期や回数をはっきりと示してもらいたい。そのうえで主張を整理したい」としているようですが、なぜこのような認否を保留したのでしょうか。
遺族側が具体的なことを示している可能性もありえますが、時間稼ぎをしているようにしか、僕は思えません。
なぜなら、すでに労災の際に調査が行われているはずですし、事件があってから2年以上がたっている段階だからです。
労災認定されている以上、裁判でも会社側の安全配慮義務が問われることになると思いますし、会社の支払い能力の問題もあるので、事件が長引く可能性があります。
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この事件に限らず、労働事件の多くは長く激しい紛争になることが多く、結果として、時間と手間がかかり、他のどんなものにも変えられないものを失ってしまうことがあります。
今現在、パワハラを受けている人は、すぐに職場を離れることを考えましょう。
勇気ある撤退を!
最後までご覧いただき、ありがとうございます。
ここでの情報が、あなたの働き方を見直す一助になれば、幸いです。
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