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【過労死事件の考察】DMG森精機で起きた事件について

こんにちは、ゴローです。

DMG森精機の社員の方が過労でなくった事件が労災認定されたという報道がありました。

参考:
男性社員の自殺、労災認定=「疲れたよ」の音声残す―奈良労基署

DMG森精機2年目社員の自殺「労災」 奈良労基署

僕自身も過労死寸前で労災認定された経験があります。

僕の経験を踏まえて、この事件のようなことがこの会社や同じ業界で再び起きることがないように願い、この痛ましい事件の概要を考察していきたいと思います。

事件概要

2018年12月に工作機械大手「DMG森精機」に勤める社員が自殺でなくなった事件。

勤務先

本社を愛知県名古屋市に置く「DMG森精機」の奈良県内の工場

亡くなった方

当時24歳の技術職の男性社員

勤務状況

遺族側の代理人弁護士の説明では以下の通り。

2017年4月に入社。
2018年7月より奈良県の工場に転勤となり、プログラミング等を担当。

奈良県内の社員寮から三重県伊賀市の工場まで往復2時間以上かけて車で出勤することも多かった。

2018年10月の残業時間は100時間以上

自殺で亡くなる直前1ヶ月は124時間以上の残業があり、自室のスマートスピーカーには「OKグーグル、死にたいよー」と話しかけていた。

労災

2020年4月に奈良労働基準監督署が労災認定。

労基署の説明では「総合的に判断した」と理由を説明。
遺族側の弁護士は「長時間労働に加えて配置転換と仕事の量や質の変化がストレスになったと判断したのではないか」とコメント。

損害賠償請求

不明

会社の対応

「認定を重く受け止め、償いをさせていただく」とコメント

DMG森精機とはどんな会社なのか

DMG森精機は大手工作機械メーカーで東証一部(証券コード6141)に上場もしています。
本社は愛知県名古屋市にあり、国内外に生産拠点・営業拠点を持つグローバルな企業です。

工作機械とは

車や飛行機の乗り物の部品、医療用の器具、ペットボトルを作るための型などの工業製品を作り出すには工作機械が必要です。

作り出す際に、材料を加工する機械が工作機械です。

DMG森精機過労自殺事件の考察

労災の認定理由がはっきりしない理由

この事件では、労災認定の理由は「総合的な判断」としかわからず、弁護士のコメントも労災申請時の主張内容から推測したであろうコメントになっています。

なぜ、このようになっているかというと、労災認定の支給決定通知には、労災認定の理由は記載されていないからだと思います。

そのため、労基署に問い合わせ、「総合的に判断」との回答を得たのではないと思われます。

今後、損害賠償請求等を遺族側が行う可能性はあると思いますが、労災で認定された事項を確認するために、労働局に個人情報開示請求を行う方法があります。

個人情報開示請求を行うと「調査復命書」という書面が開示され、具体的に労基署が何を認定したのかが判明する可能性があります。

個人情報請求の開示を行っても、多くは黒塗りになっており、わからない部分もあります。

なぜ、黒塗りになっているかというと、労基署の調査では、労災申請側の個人情報だけでなく、他に調査を受けた会社側の人たちの個人情報も保護しているからです。

郵便
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僕が経験した労働環境との共通点

僕も過労死寸前でうつ病となり、ドクターストップとなる直前の時間外労働は1ヶ月あたり100時間を超えており、労災認定されました。

過労死ラインは時間外労働が80時間と言われていますが、精神障害の労災認定の基準では80時間で認定されるわけではありません。

労災の認定基準

厚労省の「精神障害の労災認定」では、以下のケースが具体例と挙げられています。

発病直前の1ヶ月でおおむね160時間以上の時間外労働

発病直前の3週間におおむね120時間以上の時間外労働

これら2つのケースでは「特別な出来事」の「極度の長時間労働」として、「強」と評価になると記載されています。

発病直前の2ヶ月間連続して1月あたりおおむね120時間以上の時間外労働

発病直前の3ヶ月間連続して1月あたりおおむね100時間以上の時間外労働

この2つのケースでは「出来事」の「長時間労働」として、「強」の判定になると記載されています。

長時間労働だけで「強判定」とならなくとも、他にパワハラなど業務上の心理的負荷の高いものが認定されれば、「強」判定となり、労災認定される可能性があります。

法則
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【まとめ】過労死は他人事ではなく身近な問題

僕自身、過労死寸前で倒れるまでは、他人事でした。

倒れる直前は、希死念慮もあったのでかなり危険な状態で、退職を申し出たものの、会社に拒否されたため、出社している状態でした。

長時間労働が続くと、外部と接触する時間も減り、睡眠時間も削られるので、正常な判断をつけるのが難しいと思います。

仕事は、あなたの意思に関わらず、同僚の退職やプロジェクトの進行状況、業務命令など事前に予想できずに、急激に質・量ともに変化します。

気づけば、一ヶ月の労働時間が80時間や100時間となることも珍しくありません。

会社側からすれば、労使協定を結んでいれば、残業をさせることができ、1年のうち半年間であれば、協定以上の残業が合法になります。

しかし、実際に1ヶ月に80時間以上も残業すれば、多くの人は体調を崩してしまうでしょう。

だから、自分を守ることができるのは自分だけです。

もし、過労やパワハラなどで退職を考えている方は、早めに行動を起こしましょう。

行動を起こす上で以下のリンクを参考にしてみてください。

法則
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最後までご覧いただき、ありがとうございます。

この記事が過労死について考えるきっかけになれば幸いです。

  • この記事を書いた人
goro

ゴロー

うつ病で休職して労災認定された人。復職せず、フリーランスと会社員のダブルワーク。休職してからフリーランスで稼ぐまで3年間は給料なし。休職・傷病手当・労災保険・失業保険など再起を図るために必要な情報を配信中。会社や役所が丁寧に教えてくれず「原則は〜」で説明を終わらせてる情報を、うつ病、休職、退職で苦しんでる人に届けたい。 【経歴】 ブッラク企業入社→うつ休職→労災認定→職業訓練→フリーランスと会社員のダブルワーク

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