こんにちは、ゴローです。
名古屋市交通局に勤務していた男性がパワハラを苦に亡くなってしまった事件で、加害者が処分された報道がありました。
僕もパワハラと長時間労働で過労死寸前で倒れた経験があります。
このような事件が二度と名古屋市交通局や他の企業で起きないように願い、この痛ましい事件の概要と僕の経験を踏まえた考察をしていきたいと思います。
事件概要
名古屋市交通局に勤務していた男性が2015年4月にパワハラが原因でうつ病を発症して自殺してしまった事件。
勤務先
愛知県名古屋市に本社がある「名古屋市交通局」
亡くなった方
2015年当時32歳の男性
勤務状況
2013年4月に名古屋市交通局の嘱託職員として、地下鉄の車両整備をする部署に配属。
先輩の運輸技師の男性職員(当時41歳)から1年近くパワハラを繰り返され、自殺。
「やめちまえ」と大声で叱責するなど継続的な嫌がらせに行き過ぎた業務上の指導が行われていた。
先輩の問題ある言動は管理職に伝わっていたが、行き過ぎた指導は回避されなかった。
亡くなった男性のTwitterでは、「さよなら人間」「このまま消えたい」「もう自分が好きになれそうにない」などのツイートが残されていた。
労災
不明だが、労災であれば公務災害として認定される。
損害賠償
遺族の方が名古屋市に対して損害賠償請求を求めた訴訟で2020年2月に名古屋地裁が約7300万円の支払いを命じる判決。
会社の対応
「指導の範囲を超えた強圧的な言動があった」ことを認めて、パワハラを行った男性職員に対して、停職3ヶ月の懲戒処分を発表。
当時の上司3名が戒告の懲戒処分。
「名古屋市交通局」はどんな会社か
愛知県名古屋市内や周辺地域で、名古屋市営地下鉄や名古屋市営バスを運営する地方公営企業です。
職員数は約4,800名います。
この人数の中には、パワハラで自殺されてしまった男性と同じ嘱託職員の方が600名含まれます。
嘱託職員とは
雇用形態としては非正規職員になります。
労働契約を結ぶ企業によって、待遇等は異なりますが、一般的には期間の定めのある職員です。
一方で、市役所などの行政機関で働く場合には、地方公務員法で労働条件が決まっています。
パワハラ加害者の言い訳
今回の報道によれば、1年近くパワハラが行われており、加害者の上司も認識していたにもかかわらず、事件を回避することはできませんでした。
加害者の男性は聞き取り調査で、「指導のつもりだった」と話をしていると報道に出ています。
僕が会社にパワハラを指摘したときも同じように「指導である。愛情をもって社員に接している」と主張し続けていました。
パワハラの加害者は必ず同様の言い訳をします。
指導であれば、大声を出したりする必要はありません。
大声を出したりするのは、威嚇するためであり、感情的になっている証拠です。
パワハラと労災
今回の事件では、労災についてどのような扱いになったのかは不明ですが、おそらく、公務災害の認定がされているのではないかと推察されます。
なぜなら、すでに名古屋市交通局も今回の判決を受けて、損害賠償の支払と加害者等の処分を発表しており、労災認定される基準にも該当すると考えられるからです。
2020年6月からは、精神障害等の労災の認定基準にパワハラの類型が追加されることになっていますが、現在でも「嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」という項目があります。
この項目では、以下のような場合が、心理的負荷が強いとみなされ、労災認定される例となっています。
・ 部下に対する上司の言動が、業務指導の範囲を逸脱しており、その中に人格や人間性を否定するような言動が含まれ、かつ、これが執拗に行われた
・ 同僚等による多人数が結託しての人格や人間性を否定するような言動が執拗に行われた
・ 治療を要する程度の暴行を受けた
今回の事件では、1年近く執拗に業務指導を超えた叱責が行われているため、労災が認定されるような事件だと思います。
僕自身、パワハラや長時間労働で過労死寸前になった経験があるため、命や健康と処分の重さを天秤にかけること自体がおかしいという思いもありますが、「指導のつもりだった」で自殺するまで追い込む叱責を1年近く繰り返しておいた事件の処分の結果をみて、やるせない思いになりました。
みなさんはいかがでしょうか。
同じような環境で悩んでいる方へ
あなたがこのページで紹介した事件と同じようにパワハラで悩んでいるなら、今すぐ、会社をやめましょう。
ブラック企業・上司に時間を費やすのは無駄です。
彼らが相手では「転職先を決めてから退職する」という王道の手順を踏むことすら危険です。
転職活動中に健康を損なうリスクが高すぎます。
ブラック企業は、退職願を拒否して、病気になるまで働かせることはブラック企業では珍しくありません。
退職交渉が危険な会社・上司の場合は、退職代行サービスを使って辞めてしまいましょう。
少しでも正常な判断が行えるうちに職場を離れ、新しい一歩を踏み出してくださいね。
-
-
もう会社に電話するの無理な人必見!退職代行サービス3選
ブラック企業を倒れるまで退職できずに、休職してしまったゴローです。 この記事は以下のような悩みがある方に読んでいただきたいおすすめの退職代行サービスの紹介ページです。 ・会社を早くやめたい ・退職を言 ...
すでに、体調を崩して休職していたり、退職してしまっている場合は、労災に強い弁護士を探すことをオススメします。
-
-
【労災認定者が教える】労災に強い弁護士を探すまでの全手順
どうも、うつ病で労災認定を受けることができたゴローです。 今回は以下の悩みを解決することができる記事になります。 「弁護士に依頼するなら、労災に強い先生にお願いしたい」 「どうやって労災に強い弁護士を ...
最後までご覧いただき、ありがとうございます。
この記事が過労死について考えるきっかけになれば幸いです。
参考URL
1年近く「辞めちまえ」と叱責…パワハラ繰り返して後輩職員が自殺 市職員に“停職3か月”の処分