こんにちは、ゴローです。
先日、JA阿蘇の職員の方が過労で亡くなった事件が労災認定されたという報道がありました。
参考:JA阿蘇職員の労災認定 菊池労基署、自殺原因「長時間労働」
僕自身も過労死寸前で労災認定された経験があります。
この事件のようなことがこの会社や同じ業界で再び起きることがないように願い、この痛ましい事件の概要の紹介と僕の経験を踏まえた考察をしていきたいと思います。
事件概要
2019年3月にJA阿蘇に勤める職員が長時間労働により自殺で亡くなった事件。
勤務先
熊本県阿蘇市なる阿蘇農業協同組合
亡くなった方
当時29歳のJA阿蘇の男性職員
勤務状況
2013年4月に入社。
小国町のJA阿蘇乳製品加工センターのヨーグルト工場に配属。
担当業務は仕込みや検査などの業務。
当初は2名で担当している業務だったが、同僚が退職したため、2018年6月から9月まで1人で担当。
2018年10月に2名体制に戻るが、ギフトシーズンとともに業務量が増加したことで、恒常的な長時間労働が発生し、2019年3月に自殺で亡くなる。
亡くなる直前の6ヶ月間の時間外労働は月平均88時間超だった。
労災
2019年12月に菊池労働基準監督署が恒常的な時間外労働によりうつ病を発症して自殺に至ったとして労災認定済み
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不明
会社の対応
JA阿蘇総務部は「男性1人に重い負担をかけてしまい、大変申し訳なかった」とコメント
JAグループとはどんな会社なのか
JAとはJapan Agricultural Cooperativeの頭文字をとっています。
日本語では農業協同組合の意味で、いわゆる農協です。
JAの目的と事業内容
「相互扶助の精神のもとに農家の営農と生活を守り高め、よりよい社会を築くことを目的」(JAのホームページより引用)に運営された協同組合であり、組合員が求めるサービスを総合的に提供しています。
具体的な事業には以下のようなものがあります。
1.組合の農産物の販売や肥料や農薬、農業機器を共同購入する事業
2.金融機関として貯金や貸付、保険をJAバンクの事業
3.病院などを運営する医療関係の事業
JA阿蘇過労死自殺事件の考察
考察ではJA阿蘇過労死自殺事件が起きた労働環境と僕が過労死寸前になった労働環境に共通する部分を分析し、過労死を未然に防ぐ知識として、多くの方に共有することを基本方針に考えていきたいと思います。
私が経験した労働環境
繁忙期前に部内の同時退職(10名中4名)が発生し、一人あたりの業務負荷が増加。
さらに他の部署でも退職者が発生し、異動等で増員が見込めなかった。
同時退職発生前から連鎖的な退職が発生しており、会社は採用活動を常に行っていたが、元々の労働環境が劣悪であるため、従業員が定着しないまま、繁忙期を迎える。
会社は労働環境の改善しないまま、複数人が過労で休職・退職することになる。
過労死が起きる会社の労働環境の共通点
JA阿蘇過労死自殺事件と私の経験で共通するのは、「退職による業務負荷の増加の対処が後手」になっている点です。
結果として、残った従業員が時間外労働で業務を行わなければならず、精神的・肉体的な負担が極めて大きな状態となっています。
原因は、退職する従業員ではありません。
会社や上司が業務量を適正に判断できていない(しようとしない)ことが根本的な原因です。
このような組織運営不良を起こす会社は、過労死が発生してしまう会社に共通することだと考えています。
過労死予防の知識
過労死を未然に防ぐために押さえておくべき知識を紹介します。
1.会社は従業員の労働時間を把握して、安全に働くことができるように環境を整える義務がある。
2.退職連鎖は危険の兆候。大量退職で一気に業務量が上がることもある。
3.長時間労働は短い期間で体調を損ない、命を奪ってしまう危険性がある。
4.1ヶ月でも過労死ラインを超える時間外労働があり、環境が改善しなければ、退職・転職の準備が必要と判断すべし。
未然予防演習のススメ
知識を得ても、シュミレーションしなくては予防になりません。
ここまでの情報を利用して、自分自身のケースに当てはめて未然予防演習をしてみてください。
もし、足りない情報があれば、以下のリンクを参照してみてください。
きっと、防止につながる情報があるはずです。
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同じような環境で悩んでいる方へ
あなたがこのページで紹介した事件と同じように長時間労働で悩んでいるなら、今すぐ、会社をやめましょう。
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このようなことはブラック企業では珍しくありません。
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少しでも正常な判断が行えるうちに職場を離れ、新しい一歩を踏み出してくださいね。
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最後までご覧いただき、ありがとうございます。
この記事が過労死について考えるきっかけになれば幸いです。