こんにちは、ゴローです。
化学メーカー「デンカ」に務めていた男性社員の方が過労による自殺で亡くなり、労災認定されたとの報道がありました。
僕もブラック企業に勤務していた際に過労とパワハラでうつになり、労災認定されました。
この事件のようなことがこの会社でも他の会社でも起きることがないように願い、この痛ましい事件の概要の紹介と僕の経験を踏まえて考察をしていきたいと思います。
事件概要
化学メーカ「デンカ」に勤務していた男性が2016年5月に自殺してしまった事件。
勤務先
東京都中央区に本社がある「デンカ株式会社」の伊勢崎工場
亡くなった方
2016年当時28歳の男性
勤務状況
2012年4月に伊勢崎工場の高分子加工研究部の研究員として配属される。
2013年4月頃から恒常的な長時間労働(月100時間以上の時間外労働)があり、抑うつ状態と医師に診断を受ける。
自殺する前に「睡眠時間 3時間」「仕事 殴られる」「自殺したい」などの検索履歴あり。
2016年5月に寮で自殺。
労災
2017年12月に労災申請するが、前橋労働基準監督署は不認定の判断。
2019年3月に群馬労働局に審査請求。
2020年3月に群馬労働局の労災補償保険審査官が前橋労働基準監督署の判断を取り消し、労災認定。
損害賠償
遺族の方が群馬県庁の記者会見で会社側に損害賠償請求をする方針を示しています。
会社の対応
「亡くなった方のご冥福を心よりお祈り申し上げるとともに、当局の判断を誠実に受け止め再発防止につとめます」とコメント
化学メーカー「デンカ株式会社」はどんな会社か
本社を東京の日本橋に置き、日本全国に営業所と支店が20箇所あります。
また、生産と研究拠点が17箇所あります。
海外には営業拠点や生産拠点などが35箇所あります。
従業員が連結で6,133名(2019年3月末時点)で資本金は約369億円(2018年3月末時点)のグローバルな大企業です。
東証1部にも上場しています。証券コードは4061です。
事業は土木・建築、電気・電子、食品包装、医療用検査薬などの幅広い分野で製造、物流、販売をしています。
新型コロナウイルスでデンカが注目を集める理由
世界的に流行し、今最も問題視されている新型コロナウイルスに関連したデンカ株式会社のニュースをまとめました。
新型コロナウイルス治療薬として期待されるアビガンの原料を生産
デンカ株式会社は2020年4月2日に日本政府からの要請を受けて新型コロナウイルス治療薬として期待されるアビガン錠の原料となるをマロン酸ジエチルを新潟件糸魚川にある青海工場で5月から生産することを発表しました。
参考:「アビガン」の原料供給に関するお知らせ~新型コロナウイルス感染拡大防止のため、マロン酸ジエチルを生産~
小会社が新型コロナウイルスの簡易検査キットの開発
デンカ株式会社の小会社であるデンカ生研が2020年2月に新型コロナウイルスの簡易検査キットに着したことを発表しています。
デンカ生研ではインフルエンザの検査キットも国内トップメーカーであり、コロナウイルスの検査キットでも十分な供給体制を取れると公表しており、国内外で期待が持たれています。
参考:新型コロナウイルス感染症「COVID-19」の簡易検査キット開発着手のお知らせ
長時間労働の危険は身近な問題
今回、ご紹介したのはデンカ株式会社のような国内外に多くの拠点を持つ大企業で起きてしまった大変痛ましい事件です。
過労死事件は、中小企業だけでなく三菱電機や電通など日本を代表する大企業でも発生しており、年齢は20代の方から50代や60代の方まで報道されているだけでも多くの方が毎年亡くなっています。
僕も過労とパワハラでうつ病となり、激しい希死念慮という死にたい気持ちに襲われていることがありました。
当時、自分はストレスにも強く、うつ病とは程遠いと思っていましたが、長時間労働で睡眠が短くなると正常な判断ができなくなってしまい、毎日が辛くなっていき、入社からたった10ヶ月で倒れて、休職することになりました。
自分がそのような状況になっているときは中々気付けないのですが、長時間労働では、会社からの拘束時間が長くなりますので、自社以外の情報を取ったり、友人達の時間と過ごす時間も減るため、知らず知らずの内に閉鎖的な状況に追い込まれてしまいます。
医師からはこの事件や僕のように長時間労働で睡眠時間が少なくなってしまうと、脳の神経部質の影響で誰でもうつ病になってしまう可能性があるので、自分の心が弱いとか考えなくてよいとアドバイスされましたが、1年半以上の療養しなければ、まともに働くこともできない状況でした。
厚生労働省が示している長時間労働の過労死レベルは、時間外労働は1月で80時間です。
1ヶ月間の出勤日数は20日と計算すると1日あたり4時間の残業をしていると過労死レベルです。
9時-17時の仕事であれば、21時まで毎日残業している月があれば、過労死してしまう可能性が高いのです。
また、過労死レベルの時間外労働とは逆転していますが、うつ病などの精神障害で労災認定される長時間労働は以下のようになっています。
・発病直前の1か月におおむね160時間以上の時間外労働を行った場合
・発病直前の3週間におおむね120時間以上の時間外労働を行った場合
・発病直前の2か月間連続して1月当たりおおむね120時間以上の時間外労働を行った場合
・発病直前の3か月間連続して1月当たりおおむね100時間以上の時間外労働を行った場合
・パワハラなどの心理的負荷のかかる出来事が発生した前や後に恒常的な長時間労働(月100時間程度の時間外労働)があった場合
このように短期間であっても、長時間労働は誰でも精神障害を引き起こしてしまい、時には自殺を引き起こしてしまいます。
自分は大丈夫だと思わず、長時間労働やパワハラなどで職場のストレスを感じたら、休職して一時的に会社を離れることや退職転職を考えて、自分を守りましょう。
ストレスの多い環境で働くと知らず知らずの内に健康を蝕まれ、長くいればいるほど、復帰するのに時間がかかります。
正常な判断ができる内に行動を起こすことをおすすめします。
労災の認定基準については以下の記事も合わせてご参照ください。
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今の会社を辞めたい方へ
あなたがこのページで紹介した事件と同じようにパワハラや長時間労働で悩んでいるなら、今すぐ、会社をやめましょう。
ブラック企業は、退職願を拒否して、病気になるまで働かせる会社も珍しくありません。
健康であれば、いくらでもやり直すことはできます。
少しでも正常な判断が行えるうちに職場を離れ、新しい一歩を踏み出してくださいね。
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最後までご覧いただき、ありがとうございます。
この記事が過労死について考えるきっかけになれば幸いです。