ニュース 労災

【過労死事件の考察】アートの子会社で起きたのはどんな事件なのか

こんにちは、ゴローです。

引っ越し大手アートコーポレーションの小会社であるアートバンラインに勤める男性社員の方が過労死で亡くなり、労災認定されたとの報道がありました。

報道:アート子会社のトラック運転手、過労死 車内で寝る日も

僕もブラック企業に勤務していた際に過労とパワハラでうつになり、労災認定されました。

この事件のようなことがこの会社でも他の会社でも起きることがないように願い、この痛ましい事件の概要の紹介と僕の経験を踏まえて考察をしていきたいと思います。

事件概要

アートバンラインに勤務していた男性が2019年5月に亡くなってしまった事件。

勤務先

大阪府茨木市に置く物流会社「アートバンライン株式会社」の成田支店

亡くなった方

2019年当時53歳の男性

勤務状況

成田支店に勤務。

長距離トラック運転手として、広島や大阪、名古屋などへ輸送を担当。

トラック内で寝泊まりしなくてならない状況。

2020年5月の休日に心臓死の疑いで亡くなってしまった。

労災

2020年2月に過重労働が原因だったとして労災認定済み。

損害賠償

不明
労災も遺族な方が申請しているので、今後、会社の責任等を追求していくのではないかと思われます。

会社の対応

管理部より「真摯に受け止め、再発防止に努めたい」とコメント

アートコーポレーショングループはどんな会社か

亡くなった男性の勤務先であるアートバンライン株式会社は、アートコーポレーションが100%出資している会社でした。

親会社のアートコーポレーションは引っ越し大手で、アート引越しセンターを展開している企業です。テレビCMなどでご存知の方も多いと思います。

アートコーポレーショングループは今回の事件だけではなく、他にも労働事件を起こしています。

アートコーポレーショングループの労働事件

元従業員の方が係争中の事件

2017年10月に元従業員3名の方が裁判を起こし、2019年10月と11月に証人尋問が行われた模様です。

提訴してから2年以上が経っていますが、判決が出た報道もないため、今も係争中と思われます。

この裁判では、主に以下の5点について原告の方々が請求しています。

<原告の裁判での主な請求内容>

①7時に出勤し準備してもタイムカードが7時半から切られていたことについて、支払われていない差額のお金の請求。

②引越事故賠償金を不当に労働者に支払わせていた分の返還請求

③常勤アルバイトを不当に差別し、支給していなかった通勤手当分の請求

④業務用の携帯を支給せず、不当に個人携帯を業務に使わせていたことについて、携帯料金の請求

⑤実態がなく、機能していないアート労働組合に対し、毎月給与から控除している1,000円の組合費返還請求

引用:日本労働評議会 【労評アート労働組合】裁判がいよいよ佳境、10/24に1回目の証人尋問が行われました!

この事件に関する詳細は、日本労働評議会の「アート引越センターの違法行為の数々」にも記載があります。

アートコーポレーション 京北支店 労基法違反で書類送検

アートコーポレーションの東京都北区にある京北支店が、従業員5人に36協定の延長時間を超える違法な時間外労働を課していたとして、労働基準法違反の疑いで書類送検されています。

書類送検されたことで、厚生労働省が2015年3月に公表した労働基準関係法違反で送検された企業リストに掲載されましたが、1ヶ月後には著しい体制改善があったためにリストから削除されました。

具体的な改善内容が明らかにはされていませんでした。

長距離運転手の過重労働とアートコーポレーションの労働環境についての考察

考える
長距離運転手の過重労働は以前より運転中の事故なども問題になっていたにもかかわらず、アートコーポレーショングループの実態として、死に至ってしまう方がいるほどの労働を強いられてしまっているのが判明しました。

今回のアートバンライン株式会社の求人専用サイトでは、以下のように自社のことを働きやすい環境と紹介し、応募を促していました。

「社員が働きやすい環境」を目指しており、待遇にこだわり、社員のライフスタイルへのサポートや、各種福利厚生制度を設けています。

また、「頑張りたい!」とやる気をもって努力している人を応援する会社なので、希望に応じたキャリア形成をすることができます。

社員一同、皆様のご応募を心よりお待ちしております。
引用:アートバンライン株式会社採用サイト 会社概要

上記の書類送検された事件後に改善しているような部分もあるのかもしれませんが、まだ未払い賃金や引越し賠償金について争っている様子であり、今回のような過重労働で亡くなる方が出てしまう状態ということを考えると、実態は不透明だと思います。

僕も過重労働とパワハラで労災認定と裁判を経験しましたが、慰謝料などを払ってもらっても健康には変えられませんし、時間や労力を考えてもとても割に合いません。

被害が大きくないうちに退職することを検討しましょう。

step
もう会社に電話するの無理な人必見!退職代行サービス3選

ブラック企業を倒れるまで退職できずに、休職してしまったゴローです。 この記事は以下のような悩みがある方に読んでいただきたいおすすめの退職代行サービスの紹介ページです。 ・会社を早くやめたい ・退職を言 ...

続きを見る

もし、すでに過重労働で体調に異変を感じている方は、労災に強い弁護士に相談しましょう。

体調が優れない中では、具体的にどのような準備をすればよいのか調べるだけでも大変です。

そして、気力・体力も一人では持ちません。

僕も実際に一人ではなにをすればよいのかわからず、日に日に体調を崩し、最後は倒れてしまいました。

法則
【労災認定者が教える】労災に強い弁護士を探すまでの全手順

どうも、うつ病で労災認定を受けることができたゴローです。 今回は以下の悩みを解決することができる記事になります。 「弁護士に依頼するなら、労災に強い先生にお願いしたい」 「どうやって労災に強い弁護士を ...

続きを見る

今現在、ブラック企業と戦っている人は、ブラック企業のやり口に負けずに淡々と証拠を集めて、弁護士やサポートしてくれる人と一緒に自分の納得いく結果になるように頑張ってください。

最後までご覧いただき、ありがとうございます。

この記事が過労死について考えるきっかけになれば幸いです。

  • この記事を書いた人

ゴロー

うつ病で休職して労災認定された人。復職せず、フリーランスと会社員のダブルワーク。休職してからフリーランスで稼ぐまで3年間は給料なし。休職・傷病手当・労災保険・失業保険など再起を図るために必要な情報を配信中。会社や役所が丁寧に教えてくれず「原則は〜」で説明を終わらせてる情報を、うつ病、休職、退職で苦しんでる人に届けたい。 【経歴】 ブッラク企業入社→うつ休職→労災認定→職業訓練→フリーランスと会社員のダブルワーク

-ニュース, 労災

© 2023 休職の歩き方