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【過労死事件の考察】協和商工の事件はどんな勤務状況でどんな会社だったのか

こんにちは、ゴローです。

2019年12月19日に協和商工に勤務していた男性の遺族が、男性の自殺の原因は過労であるとして、会社に約1億1000万円の損害賠償を求めて長崎地裁に提訴したとの報道がありました。

参考:25歳過労自殺と母親が会社提訴 長崎、月165時間残業

僕もブラック企業に勤務していた際に過労とパワハラでうつになり、労災認定されました。

この事件のようなことがこの会社でも他の会社でも起きることがないように願い、この痛ましい事件の概要の紹介と僕の経験を踏まえて考察していきたいと思います。

事件概要

協和商工に勤務していた男性が2017年3月に自殺してしまった事件。

勤務先:長崎県佐世保市の食品卸会社「協和商工株式会社」

亡くなった方:2017年当時25歳の男性

勤務状況:2014年4月に入社し、12月にうつ症状を伴う精神傷害を発症して、2017年3月に自殺。

担当業務は営業やトラックの納品作業でした。精神障害を発症した月は時間外労働は165時間にも達し、その後の月も100時間を超えていたようです。

労災:2019年3月に労災認定済み。

損害賠償:遺族が約1億1000万円を求めて、係争中。
会社側は過重労働はなかったと争う構えを見せているとのことです。

協和商工はどんな会社か

協和商工株式会社

本社を長崎県佐世保に置き、佐世保支店・長崎支店・佐賀支店があります。
また、営業所が宮崎・熊本・福岡にあり、九州を中心にした総合卸売商社です。
もともとは、油脂工場から始まり、業務用食品卸企業と成長してきたそうです。

会社のホームページ上で代表取締役社長の加城一成氏はこのように語っています。

「挨拶や礼儀を徹底すること、限られた時間でいかに密度の高い仕事をするか、もちろんプライベートや遊びの時間も大切です。お客さまのことを第一に考えつつ、社員一人ひとりの仕事と生活を充実させ、会社の利益もきちんと出すことが、さらなる地域や社会全体への貢献にもつながっていきます。」
協和商工株式会社ホームページのトップメッセージより引用

なぜ労災認定されているのに、会社は争うつもりなのか(考察)

考える
この事件では、発症時の時間外労働が165時間以上となっており、厚生労働省が過労死の基準としている80時間以上の2倍超になっています。また、その後の時間外労働も100時間以上ということですので、
この点が評価され、労災認定になったのではないかと個人的に推察します。

精神障害の労災認定基準にある「長時間労働がある場合の評価方法」では、例として「発病直前の1か月におおむね160時間以上の時間外労働を行った場合」は特別な出来事の極度な長時間労働として、心理的負荷の総合評価が「強」と判定されます。

「強」と判定された場合には、業務以外の心理的負荷の評価(仕事以外のできごとで精神障害が発生した要因はないかどうか)と個体側要因(もともと精神障害があったのではないかやアルコール依存状況など)が原因で精神障害を発症したと考えられない場合には、労災認定されます。

このように精神障害が労災に認定されるには、様々な要因を確認した上で行われますので、労災は国の定めた基準に合致するかどうかが業務上であるかどうかとなりますが、裁判所では広い範囲で会社の責任を認める方向にあります。

そのため、労災認定が行われると会社側が裁判上でも今後の見通しが悪くなるため、落とし所を見つけるような動きがでるようで、このような事件の裁判では、労災認定後に和解が成立しているケースをよく見かけます。

しかし、今回のケースでは、労災認定されているにも関わらず、過重労働はなかったと争う構えを見せているようです。

もちろん、会社として労災認定に納得がいっていないことや主張したいことがあるかもしれませんが、国の基準で過重労働が認められているとすれば、私個人としては会社の主張には無理があるように感じますし、同じように過重労働を経験した一人の人間として憤りを感じます。

私の場合は、うつになり休職しはじめの頃に社長から会社に原因があったことや謝罪文が残っていましたが、裁判上では、社長はそのようなことは一切認めませんでした。

そして、社長や上司と休日も含め毎日のようにフェースブックやメールでのやり取りし、時間外労働中にオフィスで一緒に仕事をしていたにもかかわらず、時間外労働はなかったと平然と主張していました。

このように本当のブッラク企業は証拠が残っていようがいまいが、関係なく、自己都合で認めないと主張してくるのです。

もちろん、沢山の証拠があれば、裁判や労災でも認められることも多いでしょうが、認めない以上、こちらから証拠を集めて、長い時間と労力を掛けなくてはなりません。

そして、こちらが疲弊し、譲歩してくるのを待つのです。

おそらく、この裁判でも、このように認めずに争いが続くようであれば、判決まで少なくとも1年程度は続くと思われます。

判決にも会社が納得いかずに支払いたくないと思えば、上訴して裁判は続きます。

僕が経験して思うことは、働く側もブラック企業と深く関わらないようにするために、知識と行動を起こしていけるようにしなくてはならないと思います。

同じような環境で悩んでいる方へ

矢印

もし、この記事を読んでいる方で同じように過重労働で体調を崩されてしまった方がいらっしゃったら、一人で悩まず、労働事件専門の弁護士に相談することをおすすめします。

僕も自分一人では労災のことすら、まともに調べることもできませんでした。

体調が優れない中では、なかなか自分ひとりで証拠を整理したり、どのようにブラック企業と戦えばいいのか、気力も体力も足らずに、行動に起こすことができませんので、専門家に頼りましょう。

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そして、今、ブラック企業と戦っている人は、ブラック企業のやり口に負けずに淡々と証拠を集めて、弁護士やサポートしてくれる人と一緒に自分の納得いく結果になるように頑張ってください。

ブラック企業と過去のことについて争うのではなく、早くブラック企業を脱出して、就職活動に専念したいという方には退職代行サービスがオススメです。

最後までご覧いただき、ありがとうございます。

この記事が過労死について考えるきっかけになれば幸いです。

  • この記事を書いた人
goro

ゴロー

うつ病で休職して労災認定された人。復職せず、フリーランスと会社員のダブルワーク。休職してからフリーランスで稼ぐまで3年間は給料なし。休職・傷病手当・労災保険・失業保険など再起を図るために必要な情報を配信中。会社や役所が丁寧に教えてくれず「原則は〜」で説明を終わらせてる情報を、うつ病、休職、退職で苦しんでる人に届けたい。 【経歴】 ブッラク企業入社→うつ休職→労災認定→職業訓練→フリーランスと会社員のダブルワーク

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