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【過労死事件の考察】大阪の調理師がいたのはどこのお店でどんな事件なのか

こんにちは、ゴローです。

2020年2月21日に、大阪地裁で大阪市中央区のフランス料理店側に過労死した調理師の遺族に対して、約8400万円の支払いを命じる判決が出たとの報道がありました。

参考:調理師過労死で賠償命令 ミシュラン掲載の仏料理店

僕もブラック企業に勤務し、1年ほどで体調を崩してうつ病を発症したことから、休職したことがあります。

休職が長引いていることを理由に会社から退職するように言われたため、弁護士に相談し、労災認定されたことがありますが、この調理師の方の事件は労働基準監督署では労災認定されていなかったものの、裁判所が過労と死亡の因果関係を認めている事件でもあるとのことです。

この事件のようなことがこのお店や同じ飲食業界で再び起きることがないように願い、この痛ましい事件の概要の紹介と僕の経験を踏まえて考察していきたいと思います。

事件概要

大阪市の料理店に勤務していた男性が亡くなった事件。

勤務先:大阪市中央区にあるフランス料理店

亡くなった方:フランス料理店に勤務する男性(当時33歳)

勤務状況:2009年から勤務し、時間外労働が月に約250時間に上っていた。

連日朝8時から翌日の未明まで勤務し、週一日の定休日にも出勤していることもあった。

2012年に急性心筋炎を発症し、2014年には脳出血を起こして亡くなった。

労災:労働基準監督署は労災を認めず、不認定。その後、2019年5月に大阪地裁が過労と死亡の因果関係を認めて、労働基準監督署の不認定処分の取り消しを命じる。現在、国が控訴中。

※ 労基の認定は国の決定処分のため、国が大阪地裁の決定を不服として、控訴しているということになります。

損害賠償:亡くなった方の遺族が、勤務していた店舗に対して約9800円の損害賠償を揉めている訴訟で、2020年2月21日に約8400万円の支払いを大阪地裁が店側に命じた。

どこのフランス料理店なのか

現在の報道では店名は明らかにされておらず、わかっていることは、以下の情報です。

・ 大阪市中央区
・ フランス料理店
・ ミシュランガイド京都・大阪2020のビブグルマン掲載店
・ 2009年以前から開業している店舗

なぜ、当初、労災認定されていなかったのか

この事件では、発症前の1年間の時間外労働が平均250時間以上となっており、厚生労働省が過労死の基準としている80時間以上の3倍超になっています。

これは、労災の認定基準のガイドラインに記載されている「発症前1ヶ月間に100時間又は2-6ヶ月間平均で月80時間を超える時間外労働は、発症との関連性は強い」とされています。

実際、僕もパワハラなどもあったのですが、労災認定においては、100時間以上の時間外労働が決め手となり、労災認定されました。

調理師の方の事件では、なぜ、これほどの労働時間があったにも関わらず、当初、労働基準監督署が労災認定されなかったのか。

その理由は、最初に発症した心筋炎という病気が、労災認定の対象疾病に含まれていないことが原因だったようです。

しかし、大阪地裁では、長時間労働により免疫力が低下していたことからウイルス感染し、発症したとして、長時間労働と死因との因果関係が認められ、労働基準監督署の不認定を取り消ししました。
まだ、国が提訴しているとのことで最終的な結論は出ていないようですが、裁判所が因果関係を認めたことは大きな一歩であったと思います。

事件の考察

考える

僕のような精神疾患のケースは労災認定されるかどうか、仕事との因果関係が認められるのは難しいケースということで聞いていましたが、この事件のケースのように、因果関係よりも対象疾病により認定されないケースがあることがわかり、今後、過酷な労働環境が背景にあるようなケースでは、対象疾病でなくても、認定が行われるようになってほしいと思います。

この事件も亡くなられてからすでに5年以上が経っています。

労災申請ができる時効が2年であることを考えると、労災の申請や訴訟に向けた証拠集めなどにその期間を費やしていたとしても、3年以上がかかっています。

しかも、労災認定について国側は提訴しているということであり、まだ、裁判が続くことが想定されます。

会社側は全く勤務時間を管理していなかったようです。(僕の場合も同様に勤務時間を管理していませんでした。会社は勤務時間を管理する義務を負っていますが、わざと管理せずに責任を回避しようとしていました)

そして、店側との損害賠償についても、国側の提訴が続いていることを考えるとこちらも続く可能性があるのではないかと思います。

なぜなら、仮に労災認定について、国側が勝訴することになると、別事件ではありますが、損害賠償における店側の責任についても影響が出てくると考えられるからです。

僕の場合も労災認定、会社側との裁判を経ていますが、まだ、労基署とのやり取りは続いており、すでに4年近くが経っています。

労災認定の基準が明確化されたことにより、以前よりも早く判断が下される事になったことは確かであり、評価すべきことではありますが、一度、ブラック企業で働きはじめ、損害をこうむると健康と時間を奪われてしまいます。

働く側も深く関わらないようにするために、知識を深め、行動を起こしていけるようにしなくてはならないと思います。

同じような環境で悩んでいる方へ

矢印

もし、あなたがこのページで紹介した事件と同じように長時間労働で悩んでいるなら、今すぐ、会社をやめましょう。

なぜなら、長時間労働を続けているとあっという間に体調を崩してしまい、復調するためには長い療養生活を過ごす必要がでてくるからです。
最悪の場合は、命を落とす危険性もあります。

僕もまさか自分がそのような状態になるとは思ってもみませんでした。

完全に他人事。

自分は大丈夫だと根拠もなく、働き続けていましたが、日本では今も多くの人が過労で体調を崩したり、亡くなったりしています。

僕はパワハラと長時間労働のあるブラック企業を辞めることができず、1年たらずでうつ病となり過労死寸前まで追い込まれてしまいました。

働くことができなかった療養生活は、勤務していた期間の倍となる2年間。

「この会社、おかしいな」

はじめて、こう感じた日に自分に声をかけるなら

「今すぐ、会社をやめろ」です。

当時も心の中ではそう思っていました。

一度は、退職したいと申し出たものの、会社に拒否された上に、色々な不安が募り、実行に起こすことができませんでした。

「転職先が決まってないのに、退職して大丈夫だろうか」

「入社したばかりなのに、退職して次の仕事は見つからるだろうか」

「急に会社を辞めて、家族になんて説明しようか」

「退職後の生活費はどうしようか」

「そもそも会社は辞めさせてくれるだろうか」

「仕事を途中で投げ出すことなんてできない」

命と健康以上に大切なものはないのはわかっていたけど、「仕事をやめたい気持ち」と「将来への不安」に葛藤しながら限界まで会社に出社。

異常な環境に慣れてしまったことで、正常な判断ができなくなっていました。

僕が当時感じていた「将来への不安」は健康であれば、いくらでも取り返すことができるものばかりです。

「ブラック企業・職場・上司から離れる」というのは正常な判断です。

「会社を辞める」決意をして、新しい明日への一歩を踏み出しましょう!

ブラックな企業・上司が辞めさせてくれるか心配な方は退職代行サービスをオススメします。

すでに、体調を悪くされてしまった方は、労災に強い弁護士を探して、相談したほうがよいです。

一人で悩まず、専門家に頼りましょう。

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ここまでご覧いただき、ありがとうございます。
この記事をご覧いただいた方が過労死について考えるきっかけになれば幸いです。

  • この記事を書いた人
goro

ゴロー

うつ病で休職して労災認定された人。復職せず、フリーランスと会社員のダブルワーク。休職してからフリーランスで稼ぐまで3年間は給料なし。休職・傷病手当・労災保険・失業保険など再起を図るために必要な情報を配信中。会社や役所が丁寧に教えてくれず「原則は〜」で説明を終わらせてる情報を、うつ病、休職、退職で苦しんでる人に届けたい。 【経歴】 ブッラク企業入社→うつ休職→労災認定→職業訓練→フリーランスと会社員のダブルワーク

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