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【体験談・判例紹介あり】退職したら損害賠償すると言われたときの対処法

どうも、ゴローです。

今回は、会社を辞めたら、損害賠償すると言われた人向けの記事です。

退職するだけで、損害賠償を負うことは、通常ありませんが、状況によって専門家に相談して慎重にコトをすすめたほうがよい場合もあります。

この記事では、僕の経験を踏まえて、退職時の損害賠償を請求された場合の対策をご紹介できればと思います。

僕の経験

僕が退職を申出た際に社長とのやりとりをご紹介します。

私「来月末で退職させていただきたいと思います」

社長「やめさせないからな」

私「どうしてですか・・・」

社長「おまえに期待して、働かしてきたんだ。その分まで働いてもらわないとやめさせない」

私「期待して頂いた中で退職するのは申し訳ないですが、入社から今まで働いて会社に貢献し、それに対してお給料をいただいたと思っていますので、やめます」

社長「とにかく、絶対やめさせない。やめたら損害賠償を請求するからな」

社長が立ち上げって、会議室から立ち去ってしまいました。

僕はやり取りをメモし、後日、弁護士に相談することにしました。

損害賠償を請求されたら、払わなくてはいけないのか

僕が弁護士に相談した際にもらったアドバイスをご紹介します。

労働基準法第16条(賠償予定の禁止)
使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。

たとえ、入社時の雇用契約書で損害賠償を支払うことを決めていても無効だと言われました。

また、退職自体は、原則として働く人の自由ですが、民法では2週間前に退職を伝える必要があるとのことです。

民法627条1項
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

しかし、月給制や年棒制の場合は2週間前でありません。

民法627条2項
期間によって報酬を定めた場合には、解約の申入れは、次期以後についてすることができる。ただし、その解約の申入れは、当期の前半にしなければならない。
民法627条3項
六箇月以上の期間によって報酬を定めた場合には、前項の解約の申入れは、三カ月前にしなければならない。

これは、雇用期間に定めがない場合です。

有期雇用の契約社員のように雇用期間に定めがある場合には、原則期間の途中で退職することはできません。

民法628条
当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。

これらのことを弁護士から教えてもらいながら、僕のケースでは、損害賠償を払う必要はないというアドバイスでした。

なぜなら、2週間前に退職を申出ており、タイミング的にも問題なく、なんの根拠もなく損害賠償を請求するというのはただの脅しであるとのことでした。

仮に契約社員であっても、僕のように残業やパワハラがあるような環境では契約期間中であっても退職を申し出るのにやむを得ない理由があると考えられるとのことでした。

ただし、やむを得ない理由というのは、具体的に法律で定められているわけでないそうですので、もし、心配な方は無料の弁護士相談や労働基準監督署に相談してみましょう。

退職に関する損害賠償の裁判例

どのような場合に損害賠償請求が認められたのか気になったので、過去の判例を調べてみました。

ラクソン事件(東京地裁 平成3年2月25日)

取締役の人間が辞任後、密かに社内の営業員を集めて、競合他社へに移籍を画策し、実際に大量の営業員が自身とともに移籍した事件です。この事件は会社の損害賠償請求が認められています。

ケイズインターナショナル事件(東京地裁 平成4年9月30日)

雇用期間の決められていない社員が病気を理由に欠勤した後に退職した結果、取引先との契約が解約されてしまったため、退職した社員は会社に損害金を払うことを約束していましたが、支払わなかった事件です。

この事件では会社の損害賠償請求が認められて、約束した金額の約3分の1を支払うことになっています。

長谷工コーポレーション事件(東京地裁 平成9年5月26日)

社員が社内の留学制度を使って2年間海外留学をしました後に退職しましたが、留学前に一定期間を経ずに退職する場合には留学費用を返却するという誓約書を会社側と交わしていた事件です。

この事件では会社の返還請求が認められています。

まとめ

基本的には退職に際して損害賠償を請求するのは、引き止め工作や感情的になって脅しの一種で行われている場合がほとんどですが、今回ご紹介したようにケースによっては本当に裁判まで発展して会社の主張が認められていることもあります。

そのため、本気で損害賠償を請求されるようなことがあれば、労働事件に強い弁護士に一度相談してみるのがよいでしょう。

ここでの情報があなたが新しい一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。

  • この記事を書いた人
goro

ゴロー

うつ病で休職して労災認定された人。復職せず、フリーランスと会社員のダブルワーク。休職してからフリーランスで稼ぐまで3年間は給料なし。休職・傷病手当・労災保険・失業保険など再起を図るために必要な情報を配信中。会社や役所が丁寧に教えてくれず「原則は〜」で説明を終わらせてる情報を、うつ病、休職、退職で苦しんでる人に届けたい。 【経歴】 ブッラク企業入社→うつ休職→労災認定→職業訓練→フリーランスと会社員のダブルワーク

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