うつ病で休職して、3年間給与がなかったゴローです。
「うつ病が治るまで、どうやって生活しよう?」
「うつ病で休職したら、給料以外にもらえる手当で生活できるだろうか?」
うつ病で休職し始めた方や休職して治療に専念すべきかどうか迷われている方は、同じような経済的な不安をお持ちではないでしょうか。
僕も同じお悩みがありました。
休職中に受け取れる手当は、状況によっていくつか受け取れるものがありますが、うつ病で休職した場合は、ほぼ一択の手順で手当を受け取っていくことになると思います。
なぜなら、うつ病などの精神障害は、いつどこでどのように発症したのかをあなた以外の人に理解してもらうのは難しいからです。
でも、大丈夫です。
僕の実体験を紹介しながら、受け取れる手当を解説しますので、休職中に準備すべきことを理解することができ、お金の心配を軽減することができます。
うつ病で休職したら受け取れる手当
うつ病等の精神障害で休職した時に給与の替わりとなる手当は、健康保険の傷病手当金か、労災保険の休業補償給付金のどちらかを選ぶことになります。
なぜなら、障害年金は休職直後には受給できませんし、会社からの休業補償もあなたの病気の原因が仕事でなければ、支給する義務がないからです。 どうも、ゴローです。 今回は以下のような悩みを解決する記事になります。 ・休職中に給料の代わりになる手当で一番早く、長く支給されるものはなんだろうか? ・お金の心配が無くならないと療養どころではない ...
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【病気休職経験者】休職中の給与に替わる手当のすべて
そのため、傷病手当金か休業補償給付金のどちらかを申請する必要がありますが、実務的には両方申請して、認められた方を受給する手順がオススメです。
両方を受給することはできませんが、並行して申請することで、うつ病で休職した場合の生活費を確保することができます。
この手順をオススメする理由は、健康保険の傷病手当金と労災保険の休業補償給付金を比較しながら、解説していきます。
傷病手当金と休業補償給付金の比較
結論から書いてしまうと、労災保険の休業補償給付金のほうが、メリットが大きいです。
ただ、労災は基準が厳しく、支給されるにしても審査に時間がかかりますので、傷病手当金を受給しつつ、進めないと当面の生活費に困ります。
労災認定されたら、傷病手当金を返金することを前提として、同時に申請することが可能です。
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労災申請予定の傷病手当金の問題解決策(労災以外も利用可)
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支給金額は労災保険のほうが多い
労災保険の休業補償給付金の支給額は、給与の80%です。
傷病手当金の支給額は、給与の約66%(3分の2)です。
両方申請して、労災認定された場合には、それまで傷病手当金で受給していた金額を休業補償給付金から返金します。
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労災の休業補償を申請する全手順【いつまでにいくら払われるのかを解説】
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給付期間は労災保険のほうが長い
労災保険の休業補償給付金は、期間の制限はありません。
うつ病で療養しており、労働することができず、給料がでていない状態であれば、支給されます。
療養を開始してから、1年半が経過した段階で治癒せず、障害が残っているような場合は、障害年金に切り替わります。
1年半経過した段階でまだ治療の効果があり、症状が固定されていなければ、労災保険の障害年金には切り替わらず、休業補償給付金が支給されます。
一方で、傷病手当金は最大で1年半です。
1年半を経過した段階の症状に関わらず、支給停止になります。
その時点で障害が残っているような状態であれば、厚生年金の障害年金を申請します。
障害等級によって、障害年金が支給されます。
上記の労災保険の障害年金と厚生年金の障害年金は別物です。
そのため、労災保険の障害年金を受給しながら、厚生年金の障害年金を受給することも可能です。
ただし、両方を併給している場合は、労災保険の障害年金のほうが調整され、減額されるので、両方を満額受給できるわけではありません。
支給開始までの時間は傷病手当金が早い
傷病手当金は、申請してから2-3週間であなたの口座に入金されます。
休職してから計算すると、1ヶ月半くらいで支給されるイメージです。
労災保険の休業補償は、申請してから最低でも半年はかかります。
状況によっては1年以上かかることも珍しくありません。
なぜなら、傷病手当金と休業補償給付金では審査が異なるからです。
傷病手当金では、支給申請している期間に関して、休職し、賃金を受け取っていない状態であったことを書面で審査して決定されます。
一方で、休業補償給付金は、病気の原因が仕事であったのかどうかを、あなた・会社・同僚から聞き取り調査としたり、医師の意見書・過去の既往歴など様々な角度から慎重に調査が行われ、審査の上、決定されるため、時間がかかります。
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労災認定の審査期間の目安と僕が経験した調査内容
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労災の認定率は約30%
傷病手当金の認定率は不明ですが、発症の原因が問われている訳ではありませんので、不備なく書類を申請すれば、支給されるでしょう。
一方で、うつ病などの精神障害で労災認定されるのは、約30%しかありません。 どうも、うつ病で労災認定を受けることができたゴローです。 この記事は以下の悩みを解決することができます。 「怪我じゃなくてうつ病でも労災はおりるのだろうか?」 「仕事でうつ病になってしまったけど、自分 ...
出典:厚労省の精神障害の労災補償状況より
うつ病で労災認定を受けるのは簡単ではありませんが、認定基準も明確にされていますので、それに沿って専門家のサポートを受けることで認定される可能性は高まりますので、諦めずに申請しましょう。
【簡単ガイド】うつ病の労災認定基準と認定されるための手順
労災保険は他にも給付あり
あなたのうつ病の原因が仕事にあり、労災認定されると、休業補償給付金だけでなく、療養費の給付を受けることができます。
健康保険では、3割の自己負担で治療をすることになりますが、労災保険を利用できれば、自己負担ゼロで治療を続けることができます。
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【記入例あり】労災申請に必要な書類を5W1Hで解説
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労災認定なら解雇されない
休職が長くなったら、解雇されてしまうのではないかと心配になるでしょう。
僕もそうでした。
会社は解雇までの猶予期間として、休職期間を就業規則で定めている場合がほとんどです。
勤続年数に応じて、休職できる期間を決めているところが多いと思います。
休職する前に就業規則を確認しておきましょう。
休職期間満了になる前に復職できそうにない場合は、健康保険の加入期間も確認しておいたほうがよいです。
なぜなら、1年間の加入期間があれば、休職期間満了で会社を辞めることになってしまっても、傷病手当金を継続受給できるからです。
一方であなたのうつ病が労災認定されると、会社は解雇することができなくなります。
どうしても会社があなたを解雇したい場合には、治療開始から3年経った後に打ち切り補償を支払わなくてはなりません。
打ち切り補償は1200日分の給与になります。
ざっくり計算すると、休職前の3ヶ月の平均賃金が日額2万円だとしたら、2400万円を支払って辞めてもらうということですね。
ただし、労災保険から傷病補償年金を受給している状態なら、打ち切り補償を支払っている状態と同じとなり、解雇することが可能になります。
傷病補償年金の受給条件の1つは、障害等級3級以上であることです。
一 一眼が失明し、他眼の視力が〇・〇六以下になつたもの
二 そしやく又は言語の機能を廃したもの
三 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
四 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
五 両手の手指の全部を失つたもの
3年たったとしても会社側が解雇するのはハードルが高いでしょう。
労災申請は、会社と戦うことと同義
労災保険自体は、会社が従業員が働けなくなったときの給料や治療費を補填するリスク回避のために、加入している保険です。
労働基準監督署もあなたの病気の発症原因が仕事だったのかどうかを審査するだけです。
会社側の責任の重さで、支給される金額は変わりません。
支給決定されれば、計算式通りに国からあなたに支払われるだけです。
会社のふところは痛みませんが、労災認定されるということは、会社の労働環境に問題があったことと同義でもあるため、激しい紛争になることも珍しくありません。
でも、あなたが一人で背負い込む必要があるのでしょうか。
僕も悩みましたが、労災認定され、安心して療養生活を送ることができました。
労災に強い弁護士のサポートに頼りましょう。
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【労災認定者が教える】労災に強い弁護士を探すまでの全手順
どうも、うつ病で労災認定を受けることができたゴローです。 今回は以下の悩みを解決することができる記事になります。 「弁護士に依頼するなら、労災に強い先生にお願いしたい」 「どうやって労災に強い弁護士を ...
【まとめ】うつ病で休職する時に知っておいて欲しい手当と知識
・うつ病になってしまった原因が仕事の可能性がある場合は、労災認定を目指す
・労災審査は時間がかかるので、傷病手当金を先に受給して生活費の確保
・傷病手当金は、労災認定されて休業給付金が入金されてから返金すればよい
・労災保険は審査に時間がかかるが、金額も期間も傷病手当金より手厚い
・労災認定率は低いが、基準に沿って申請すれば、可能性は高まる
・休職可能期間を就業規則で確認
・休職期間満了までと健康保険加入期間を計算しておく
・通算で健康保険加入期間が1年以上あれば、退職後も傷病手当金の受給が可能
・労災認定されれば、解雇の不安はない
・うつ病の労災申請は会社との戦いなるので、専門家のサポートに頼ろう。
最後にゴローからのエール
ここまでご覧いただき、ありがとうございます。
うつで体調の悪い中、読むのもつらかったのではないでしょうか。お疲れ様です。
うつ病で休職生活が始まると、仕事のこと、将来のこと、お金のこと、家族のことなど、心配のタネは尽きません。
あまり一人で背負い込まないくださいね。
といっても、なかなか不安がグルグルして気も休まらないでしょう。僕がそうでした。
周囲の理解も得られず、悩んでしまいますよね。
悩みの中でも、お金のことは本当につらい思い出ばかりです。
何度、希死念慮に襲われたか、わかりません。
でも、このページを含め、このサイトで紹介した手順は僕が休職中に感じた課題・疑問を解決してきた方法です。
読み込んでいただけば、なんとかなるはずです。
希望を捨てずに、進めていってくださいね。
このサイトの情報があなたの新しい生活に向けたきっかけづくりになればうれしく思います。